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ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

盤石な顧客接点って何だろう? オリジナルの売り場を作るヒントを探る

通販歴40年以上のベテラン・アマノフーズ 自社ECで好評コラボを生む秘訣とこれからの顧客交流を語る

電話・FAX注文とEC購入の比率は3:1 チャネル移行に対する考えは?

 アマノフーズ公式通販の主な客層は、30代以上。中には70代・80代でもスマートフォンを使ってEC購入する顧客がいる一方で、電話・FAXとEC注文の割合は約3:1。現在もチャネル別売上としては電話・FAX経由のほうが多い状況だという。

「長年愛用いただいているお客様も多いので、無理にオンライン移行していただこうとは思っていません。私はECサイトの運営やオンライン経由のアプローチを担当していますが、部署としては『ダイレクトマーケティング部』なので、一部は紙媒体との連携も行っています。

 電話・FAXで注文される方向けには季刊のカタログのほか、お中元・お歳暮などのイベントやキャンペーンの告知を行うDMを毎月送付。EC購入者にはメルマガ配信を行い、購入のきっかけ作りに取り組んでいます」

カタログやDMのイメージ画像
アマノフーズのカタログやDMのイメージ画像

 約20名で構成された通販運営部隊の中で、ECサイト運営に携わるのは中村氏を含め4名。役割分担をしながらメルマガ・広告配信などの販促企画や施策の実行、SEO対策、オウンドメディア「アマノ食堂」やSNSアカウントの運用、システム改修、フルフィルメントの整備などといった多岐にわたる業務を担当している。

「ECサイト内のデザインや広告配信など、外部のプロの力をお借りする部分もありますが、『売るため』の根幹となる企画は基本的にすべて社内で考えています。通販は継続利用いただくことで利益が出るビジネスモデルですが、外部に任せっきりになると『自分たちで売っている』という責任感や顧客理解が乏しくなり、売上を着実に積み重ねていく感覚も鈍ってしまいかねません。あくまでPDCAを回す主導権は自分たちで、販促ナレッジを社内蓄積していく。これは、組織を運営する上で強く意識しています」

朝の定例会での共有から生まれた「にじさんじ」コラボ

 社内で企画検討・推進する上で欠かせないのが、日々の情報収集やコミュニケーションだ。中村氏は「特に朝の定例会で挙がるアイデアは次の施策につながることも多いため、大事にしている」と補足。こうした流れから生まれたヒット施策についても、紹介してくれた。

「2024年秋にVTuber・バーチャルライバーグループ『にじさんじ』とのコラボレーション企画を実施したのですが、これはある朝の定例会で『昨日の夜のライブ配信で、にじさんじさんが冷や汁を紹介してくれたみたいで反響がすごいんです』と情報共有があったことから始まった企画です。

 実際にライブ配信後からECサイトへの流入も増えていたため、思い切って『にじさんじ(ANYCOLOR株式会社)』へアプローチし、コラボ配信の実施とそのタイミングに合わせてライバーセレクトの詰め合わせセットを販売したところ、多くのファンから好評の声をいただきました。アプローチから企画実施まではわずか2ヵ月ほど、メンバーの動きも迅速で良いコラボレーションが実現できたと思っています」

好評だったVTuber・バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とのコラボレーション企画
好評だったVTuber・バーチャルライバーグループ「にじさんじ(©ANYCOLOR, Inc.)」とのコラボレーション企画

 こうした挑戦がスピーディーに実践できた秘訣として、中村氏はアマノフーズの「まずはやってみよう文化」を挙げた。

『失敗しないことをやろう』ではなく、『行動してみよう』のスタンスがアサヒグループ食品に文化として根付いているのは良いところだと思いますね。私自身も、やってみてうまくいかなければ『これはうまくいかない例だね』と証明でき、次の施策の判断軸が増えるのでそのほうが健全だと考えています」

次のページ
「ロイヤル化の王道ルート」も過信しすぎない アマノフーズの成長戦略とは

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この記事の著者

景山 真理(カゲヤマ マリ)

フリーランスのライター。EC店舗、タウン情報誌制作会社、マーケティング支援企業などへの勤務経験を経て、ウェブメディアや雑誌をはじめとする紙媒体のライティングの仕事をしています。専門領域はデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、ECのセールスメルマガ、仕事・働きかた、デジタルトランスフォーメーションです。 ウェブ●Mari Kageyama Writing Works

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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