授業中に「BeReal」を利用する若者が続出? 人気の理由は
主要SNSといえるTikTok、X、Instagramをしのぐ勢いで急成長しているのが、2020年にフランスでサービスを開始した新興SNS「BeReal」だ。
BeRealでは1日1回、予告なしで送られてくる通知から、2分以内に写真を投稿しなければならない。藤田氏は「これがゲーム感覚の楽しさを生み出している」と話す。
ほかにも写真に加工ができない、自分が投稿するまで友人の投稿を閲覧できないなど、独特のルールが存在するBeReal。同社によると、2024年11月時点で日本の月間アクティブユーザー数は450万人を突破しているという。
「日本進出後、若年層を中心に熱い支持を得ています。特に高校生や大学生は、授業中にBeRealで写真を撮影して投稿する人が続出しているようです。若年層向けの商品を扱っているのなら、今後BeRealは外せないSNSの一つといえるでしょう」
様々な制限があるにもかかわらず、なぜこれほどまでに人気を得られたのか。藤田氏は、その背景に「加工疲れがあるのではないか」と話す。
「たとえば、Instagramは世界観やクリエイティビティが称賛される場でもあります。そのため、画像を加工する文化が徐々に進化してきました。そんな中、BeRealは必ずしもオリジナリティのある写真でなくても良い点で、投稿のハードルが下がったのだと考えられます。また、自分が投稿しなければ相手の投稿を閲覧できないため、自己開示をしているような感覚になるのも特徴の一つです」
こうした日本での反響を受けてか、BeRealは2024年11月1日に日本法人を設立した。一人目の社員として、Pinterest Japanの初期メンバー・国定希生氏が参加している。また、BeRealは2025年以降に日本市場で運用型広告の提供を開始すると予告。既に準備を進めており、2024年11月29日に日本市場の広告責任者として、GoogleやPinterestでデジタルセールスに携わってきた笹川明人氏の就任を発表した。
このように、日本でも着々と事業を拡大しているBeReal。企業の公式アカウントも増え始めている。
「『いつも完璧に見えているインフルエンサーにも、こんな一面がある』と、“中の人”のリアルを見せることで、ユーザーが親近感をおぼえるのでしょう。通知がいつくるかわからないため、SNS担当者の負担が増える懸念はあります。しかし、Instagramのように細かな加工が不要な点はメリットです。商品を梱包している姿など、ありのままを見せることで共感を引き出せます。
今後、BeRealがどこまでメジャーなプラットフォームに成長するかは、はっきりとはわかりません。とはいえ、国内の大手広告代理店がBeRealの広告販売を開始している点で、一時的なブームでないことは確かです」