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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

日本の魅力発掘に挑戦!越境ECで広がるブランドの可能性

日本のアーティスト・コンテンツを海外へ 越境ECサイト運営5年目のポニーキャニオンが語る発見と手応え

IPを扱うECサイトならではの苦労も コロナ禍の立ち上げから得た“自信”と“実績”

 総合エンターテインメント企業として進化を続けるポニーキャニオン。2024年7月、同社は台湾に新たな現地法人PONYCANYON ENTERTAINMENT TAIWAN, INC.を設立したほか、PONYCANYON USA INC.を再始動させるなど、越境ECにとどまらず、あらゆる角度から海外展開を強化している。こうした取り組みは、すべて「企業理念『想像力を越える創造力で、世界中の人とつながります。』を起点としたもの」だと、折原氏は語る。

「この企業理念は、現・代表取締役社長の吉村(隆氏)の主導のもと、2017年に掲げられたものです。トップの命題に対して、現場として何ができるかを考えた結果、『世界中の人とつながる=グローバルへの注力』ではないかと考えました。

 当時は、中国からの訪日観光客による『爆買い』がブームになった後で、当社もインバウンドライブを開催したり、アーティストの中国進出の準備を進めたりと、社内のあらゆる部署でグローバル戦略が進められていたのです。私自身は、2018年頃に中国向けの販路開拓に取り組み始めました」

 しかし、2020年初頭からのコロナ禍でそれらはすべて白紙に。こうした時代でもできることを形にすべく、ワールドワイドに販売できる場を設ける上で折原氏に白羽の矢が立った。

「『越境ECサイトを作ろう』という話は前々から議題に挙げられており、制作会社とカート、テンプレートの選定は進んでいました。しかし、私が正式にサイト構築のプロジェクトを任されたのは2020年の4月上旬。しかもオープン目標は、ゴールデンウィーク明けです。『2週間でやるんですか?』と思ったのが、正直なところでした。

 ECサイトは売り場を作ればオープンできるものではなく、商品登録などの作業も必要です。そこで、まずは『ゴールデンウィークまでにECサイトを作り、リリースすること』を目標としました」

折原氏の写真

 前出のとおり、ポニーキャニオンが扱う商品を越境EC販売するには、権利関係の調整も必要となる。そこで折原氏は、2020年5月のオープン時にはECサイトとして最低限の品ぞろえを担保しつつ、7月のグランドオープンに向けて社内各部署との交渉を進めた。

「海外販売が可能な商品の確認や権利関係の整理だけでなく、一般流通とのすみ分けなど、関係する取引先へ説明できるような情報の整理・提供も欠かせません。こうした調整をしつつ、販売が確定したものから商品登録を行い、なんとかグランドオープンを迎えられました」

 取扱商品を整理するにあたり、ライブ開催・SNSなどでのコンテンツ発信など既に積極的に海外展開を進めるアーティストの関係者からは好感触が得られたという。また、オープン後にはPONYCANYON SHOPの存在に気づいて、自発的にシェアをしてくれるアニメ作品やアーティストのファンの存在にも助けられたそうだ。

オープンして4年になりますが、少しずつ実績を積み重ねられていると感じています。越境ECサイトがあることで、海外展開に興味をもつアーティストや作品を制作する側からご相談をいただけるケースも増えてきました。あくまで副次的な効果ですが、ポニーキャニオンのビジネスそのものにも貢献できているのではないかと感じています。

 ただ、ポニーキャニオンの越境ECは『良い作品が生まれている』という大前提がなければ、成功しません。製作委員会方式など、関係者が多ければ多いほど調整が困難なのも事実ですから、海外展開ありきで進めるよりも良い作品を作ることにプライオリティを置くのが健全だと考えています。その上で海外に向けたアプローチも模索するのであれば『こういったことができますよ』と、実績やそれらから得たデータ、同業他社の動向をお伝えするのが私のスタンスです」

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高い売上を記録する国・地域、反響の大きなアーティスト・作品は?

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この記事の著者

松岡 亜希(マツオカ アキ)

フリーランスのライター&エディター。出版社勤務を経て独立。雑誌、書籍、Webサイト、企業広報などさまざまな分野で活動中。● http://pubapart.com/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/15482 2024/10/31 07:00

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