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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

ECzine Day 2024 Autumn レポート

百貨店からの出店オファーが絶えない「ハルメク おみせ」 フロア売上トップを維持する四つの秘訣を伝授

 定期購読数48万部(2024年3月時点)、2019年からは女性誌販売部数No.1(一般社団法人 日本ABC協会 雑誌発行社レポート(2023年7月~12月))を記録し続けている雑誌『ハルメク』。同誌を発行するハルメクグループは、現在メディア・物販・コミュニティと多角的な事業展開を進めている。2024年8月27日開催の「ECzine Day 2024 Autumn」にて、株式会社ハルメク 店舗事業部長の勝谷進氏が登壇。近年出店を強化する「ハルメク おみせ」の特徴や顧客へのアプローチ術、データを踏まえながら行うアナログな取り組みを紹介した。

競合相手がいない? 新規獲得が生命線なハルメクの戦い方

 1989年、編集プロダクションとして創業したのが、事業の始まりとなる株式会社ハルメク。現在は、女性に向けて50代からの生き方・暮らし方を提案する雑誌『ハルメク』を軸とした情報コンテンツ事業、通販・実店舗を展開する物販事業、講座・イベントを提供するコミュニティ事業と、大きく3本の柱をもってビジネスを展開している。

 「競合相手があまり存在しないゾーンでビジネスを展開している」と勝谷氏が語るように、ハルメクの特徴は「シニア層」かつ「女性」にターゲットを絞っている点にある。スマートフォンが普及した現代でも、新規顧客の多くを新聞広告経由で獲得していることからも、その珍しさが理解できるだろう。

「雑誌の定期購読者獲得も、通販の売上拡大も新規獲得が生命線です。毎年約50万人の新規獲得を実現していますが、その起点は新聞広告が中心となっています。獲得したお客様には、雑誌やカタログなど様々なサービスを案内して回遊・体験いただいていますが、低単価でターゲット層にリーチでき、コスト効率も非常に良い状況です」

株式会社ハルメク 店舗事業部長 勝谷進氏
株式会社ハルメク 店舗事業部長 勝谷進氏

 ハルメクによるコンテンツやサービスを利用する顧客の平均年齢は、69.3歳。平均金融資産は約2,800万円と、全国平均よりも比較的ゆとりのある知的富裕層が集まっている。こうした人々に向けたアプローチとして同社が現在注力しているのが、店舗事業「ハルメク おみせ」だ。

ハルメク店舗事業
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日本一ミセス商品を売るフロアで売上トップ 「ハルメク おみせ」の魅力とは

 ハルメクが店舗事業を開始したのは2002年。最初はショールームの延長線上の位置づけだったという。2015年に百貨店への出店を始め、2020年に勝谷氏が店舗事業部長に着任した直後に訪れたのがコロナ禍だ。

 2021年には、区画が空いたことをチャンスと捉えて出店したものの、対面販売の苦境に直面して即退店するなど、試行錯誤を経て再度アクセルを踏んだのは2023年のこと。同年中に4店舗出店した後も拡大を続け、2024年は9月時点で既に6店舗、年内にはさらに2店舗の出店を予定している。

「現在は16店舗展開していますが、3年後の2027年には30店舗以上に拡大する計画を立てています」

 ハルメク おみせでは、雑誌・通販カタログで扱うファッション商材を中心に、インナー、コスメ、靴など、様々なカテゴリーの商品を扱っている。百貨店を中心に出店を加速し、既に都内百貨店の「日本一ミセス商品を売るフロア」と呼ばれる激戦区でも2024年4月以降フロア売上トップを記録。着実に結果を残している様子がうかがえる。

「現在の百貨店は、ラグジュアリーブランド、インバウンド対応店舗の誘致に注力しています。顧客層の若返りを図るべく、若年層向けブランドの誘致にもチャレンジしていますが、単一カテゴリーの店舗は売上創出に苦戦するケースも多く、売場面積がかなり減っている様子が見受けられます。

 そのような状況下でハルメク おみせが一定の成果を上げられているのは、複数カテゴリーの商材を扱うことで、単一カテゴリーの店舗よりも多角的な角度から提案ができるからだと考えています。そのおもしろさがお客様だけでなく百貨店側にも受け入れられ、現在では自ら出店交渉をせずとも、お声をいただけるようになりました」

 勝谷氏は百貨店から出店依頼を受けた際、必ず前出の都内百貨店を視察してもらっているそうだ。なぜなら、同店舗にはハルメクとハルメク おみせが目指すビジネススタイルに加え、実際に集まる顧客の姿が見えるからだという。

「実際に見ていただくとお客様が集うイメージが湧くのか、即決していただける状況が続いています。2023年までは首都圏や関西を中心に展開していましたが、2023年には札幌、2024年には仙台と地方の主要都市にも出店し始めました。今後も各地への出店を続けていきます」

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この記事の著者

景山 真理(カゲヤマ マリ)

フリーランスのライター。EC店舗、タウン情報誌制作会社、マーケティング支援企業などへの勤務経験を経て、ウェブメディアや雑誌をはじめとする紙媒体のライティングの仕事をしています。専門領域はデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、ECのセールスメルマガ、仕事・働きかた、デジタルトランスフォーメーションです。 ウェブ●Mari Kageyama Writing Works

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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