Amazonプライムデーではバチェロレッテ効果も?
Amazonも、2024年7月16日・17日に「Amazonプライムデー」を開催した。それに先立って、2024年7月11日~15日には先行セールを実施。昨年よりも先行セールの日数が3日間伸びている。
「先行セールを含めて、Amazonプライムデーの期間が過去1番の長さとなりました。今年の結果を見ると、特に出店者の売上が好調だったのは先行セールです。先行セールは、セール本番と比べて商品数が限られていますが、割引率など商品を選ぶ決め手となる要素は大きく変わりません。そのため、在庫切れになる前に、早い段階で商品を購入した顧客が多かったと予測できます」
今回のAmazonプライムデーで出店者の売上が伸びた要因として、羽田野氏は日数延長のほかに次のような点にも着目する。
「先行セールが始まる当日に、『Amazon Prime Video』で人気の恋愛リアリティー番組『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン3の最終話が配信されました。同コンテンツを目的に、新規でAmazonプライムの会員となった顧客も多かったのではないでしょうか。Amazonが、あえて最終話の配信日と先行セールの開始日を合わせた可能性も考えられます」
セールの結果が好調な中、注意すべき点が販売に関するデータを分析できる「ビジネスレポート」の仕様変更だ。具体的には、2023年の11月頃からタイムセールの売上が割引後の価格で計上されるようになっている。
「今回のセールの結果を単純に昨年対比で評価すると、ビジネスレポート上は大幅に売上が下がったように見えます。分析する際には、この点を考慮して正しく数字を比較するのがポイントです」
楽天市場の機能改善 ノーコードでブランド専用ページが構築可能に
なお、楽天市場の変化として、羽田野氏は新たな機能改善を取り上げた。その一つが、2024年7月にリリースされた「コンテンツページ」だ。
同機能では、HTMLの知識がなくても、店舗運営システム「RMS」を通じてノーコードでブランド専用ページが構築できる。画像やテキストの挿入箇所など、元々用意されているパーツを組み合わせて、ドラッグ&ドロップで編集可能だ。
楽天市場は、コンテンツページを活用して、特にイベント連動型ページの作成を推奨しているという。たとえば、「楽天スーパーSALE」向けの買い回りページや、家電といった特定カテゴリーの特集ページなどだ。
「データ分析機能も備わっているため、どのパーツをクリックしたのかなど顧客の動きを把握できる点も、導入メリットの一つです。データを見ながら、より訴求力の高いページへと継続的に改善できます。
同機能はまだリリースされたばかりのフェーズ1ですが、今後フェーズ2、3と、集客に向けた新機能や施策が追加されるはずです。店舗のブランディングやファン獲得に向けて、現段階で作成しておいて損はないページだと思います」