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ECホットトピックス

TIGETと振り返るライブ・エンタメ業界の10年史 デジタルシフト×売る力の向上で見える次の未来とは


 2023年11月11日にサイト開設10周年を迎えたECzine。SNSの興隆、コロナ禍、各社のオムニチャネル・OMO・DX推進など、振り返ればEC業界の位置付けが大きく変わった10年だったと言えよう。本記事では「10周年企画」として、ECzineと同じ2013年11月に誕生したイベントプラットフォーム「TIGET」を運営する、株式会社grabssの前田裕司氏にインタビューを実施。ライブ・エンターテインメント業界のDXに貢献してきた事業者の視点から、激動の10年を振り返る。

TIGETのアイデアはお笑いライブの現場から

 イベントプラットフォーム「TIGET」を運営するgrabssは、2012年10月にクラウドファンディング型芸人支援サイト「芸人ラボ」を運営する企業として創業。同サイトはぺこぱ、メイプル超合金など、今をときめくお笑いコンビも利用するサイトとして成長した。その縁から様々なお笑いライブの運営現場に立ち会う機会を得た同社は、ある光景を目にすることになる。

「お笑い業界には、ファンが芸人に直接メールやSNSのDMで予約を入れる『取り置き文化』が存在します。芸人はファンからの取り置き依頼を受けたら主催者に枚数を伝えるのですが、これがまるで伝言ゲームのようで非常に複雑なものとなっていました。

 たとえば、芸人からの伝達漏れや連絡を受けた主催者がリストアップするのを忘れていた場合、ファンの方が入場時に前売料金で入れなくなったり、入場までに時間がかかってしまったりといった事態が起こります。きちんと予約ができていた場合も、受付では紙のリストで管理されているケースが多く、確認から入場までにかなりの手間と時間を要していました」

株式会社grabss 常務執行役員 TIGET事業本部長 サービス推進部長 前田裕司氏
株式会社grabss 取締役CMO TIGET事業本部長 前田裕司氏

 こうしたアナログかつ煩雑な対応を目の当たりにし、grabssは「デジタルの力で、もっとスムーズにできないだろうか」と考えた。その結果、誕生したのがTIGETだ。

「『紙での個人情報管理をデータ化して、アナログな対応を減らそう』というのが最初のコンセプトで2013年11月10日にサービスを開始しました。TIGETを最初に使っていただいたイベントは、サンミュージック主催の『プレGETシアター』で、同社は今でもTIGETを利用してくださっています」

「予約」の次に目が向いた「チケット収入」の課題解決

 同イベントへの採択をきっかけに、TIGETはお笑い業界内に「チケット取り置きを電子化できるサービス」として認知され始めた。サービス開始から2年がたつ2015年頃からは、アイドルイベント主催者の利用も増加。これもきっかけは、お笑い業界の人々によるものだったそうだ。

「これは後で発覚したことですが、アイドルイベントには芸人がMCとして呼ばれるケースが多く、こうした業界をまたぐ交流から口コミが広がっていたのです」

 アイドルブームも相まって、TIGETの取扱イベント数も順調に拡大。grabssのメンバーが様々なライブ会場に足を運ぶ中で次に見えたのは「決済にまつわる課題」だったと前田氏は振り返る。

「当時のTIGETはあくまで予約受付サービスで、代金は当日会場で支払う流れとなっていました。しかし、予約が容易であるがゆえに当日都合が悪くなった参加者による無断キャンセルが頻発し、イベント主催者の負担となっていることが発覚したのです。また、当時はイベント会場での電子決済導入が一般的ではなく、現金でのやり取りが基本だったため、釣り銭準備の手間も存在しました。これらの課題を解決すべく、2016年に導入したのが事前決済サービスです」

 新たな決済フローを生み出したことで、TIGETはイベント主催者のチケット収入確保をデジタル化し、効率化を実現。同サービス導入により、TIGETは現在のサービスの原型が完成した。

 創業当初から「現場」に目を向け、ライブ・エンターテインメント業界のDXに貢献してきたgrabssだが、プレイガイド(チケット販売事業者)としては既に大手プレーヤーが複数存在し、後発だ。一見すると新規参入ハードルが高いようにも見える業界に、同社はなぜ切り込んだのだろうか。

「確かに『チケット』という商材に目を向ければ、既に競合が存在していましたが、TIGETはあくまで『イベント会場で困っている主催者の課題解決』に焦点を当てて生まれたサービスです。大手プレイガイドが取り扱わない中小規模のイベントを対象としていた点からも、開拓できる市場があると考えていました。

 また、TIGETは主催者自らが容易にチケット販売を行える『セルフサーブ』を売りとしています。昔から存在するチケット取り置きのアナログさ、煩雑さを解決する策としてサービス提供しているため、プレイガイドではカバーできない領域で主催者のニーズに応えられると思っていました。年々活用いただける事業者が増えていることからも、この考えは間違っていなかったと捉えています」

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この記事の著者

景山 真理(カゲヤマ マリ)

フリーランスのライター。EC店舗、タウン情報誌制作会社、マーケティング支援企業などへの勤務経験を経て、ウェブメディアや雑誌をはじめとする紙媒体のライティングの仕事をしています。専門領域はデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、ECのセールスメルマガ、仕事・働きかた、デジタルトランスフォーメーションです。 ウェブ●Mari Kageyama Writing Works

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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