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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

海外トレンドを徹底解剖~中国編~

1億円の物件を売る中国のライブコマース 視聴者がハマる理由は「誰かに買われる前に買う」競争心?

 ECサイトだけでなくSNSからも商品が購入できるようになるなど、オンライン上の販売チャネルが多様化しています。一般社団法人深セン市越境EC協会日本支部代表理事 成嶋祐介氏が中国EC市場を解説する本連載。今回は、数年前から急激に市場が拡大している中国のライブコマース事情をお伝えします。

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中国EC市場に新たな可能性を与えたライブコマース

 リアルタイムの動画配信を通じて、商品を紹介・販売するオンラインマーケティングの一つ、ライブコマース。この手法では、インフルエンサーなどが、ライブ配信中に商品の特徴・使い方・使った感想などを視聴者に伝えます。視聴者は、配信者にリアルタイムで質問したり、商品を購入したりできます。

 ライブコマースは、オンラインショッピングとライブ配信を融合した、新しい形の電子商取引といえます。「TikTok」などのSNSと相性が良く、拡散しやすい点が特徴です。ライブコマースの具体的なメリットには、次のようなものがあります。

インタラクティブ性

視聴者は、その場で質問や商品・サービスへのフィードバックが可能です。販売者と視聴者間で、直接的なコミュニケーションが促進されます。

リアルタイム性

ライブ配信中、視聴者は即座に商品を購入できます。そのため、限定品やタイムセールなど、短期間での購入を促すのに効果的です。

エンタメ性

ライブコマースは、単なる商品説明以上のエンタメ要素を含んでいます。視聴者は、配信者自身のパーソナリティーや演出に魅了されることも少なくありません。

信頼性

配信者がリアルタイムで商品を使用することで、商品に対する信頼性も高まります。実際の使用方法や効果を、視聴者に詳しく伝えることが可能です。

 中国でライブコマースが驚異的な成長を遂げた背景には、人々がスマートフォンを当たり前に使いこなしていること、QR決済などを通じてデジタル化されたユーザー基盤があること、高速モバイル通信の技術が普及したことがあります。

 元々、中国のEC市場では、既存プラットフォームが強固な地位を築いていました。そこへ、ライブコマースが新たな可能性を与えました。

 商品のすり替えや未配達に騙されてきた中国の消費者にとって、その場で疑問が解消できる仕組みが受け入れられやすかったのも、ライブコマースが市民権を得られた理由でしょう。

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この記事の著者

株式会社成島代表取締役 成嶋祐介(ナルシマ ユウスケ)

 元一般社団法人深圳市越境EC協会日本支部代表理事。世界の最先端企業1800社とのネットワークを持つ中国テックビジネスのスペシャリスト。中央大学、茨城大学講師などを歴任。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。株式会社成島代表取締役。2019年から深圳市政府公認の深圳市越境EC協会日本支部の代表理事を務めた...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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