「映え」よりも配信面の特性理解で成果は変わる
──手持ちの商品画像からでもLINE広告出稿を始めやすいとわかりましたが、「映える画像がなければ成果につながらないのでは」と考えるEC事業者もいるかと思います。元々ある素材を活用して、運用効率と成果を高めている事例があれば教えてください。
柿崎 ある女性向けファッション企業では、商品画像のレイアウトやトリミングでバリエーションを作成し、効果の高いものに絞り込んでさらなる出稿につなげるといった取り組みを行っていました。こうしたバリエーションも、1つ画像を作り「複製機能」を活用すれば、数クリックで実現可能です。
──時間を要さずにA/Bテストもできますね。LINE広告は配信面のバリエーションも特徴の1つですが、EC事業者から需要の高い配信面とそれぞれの特徴をお聞かせください。
相樂 LINE広告で最もメジャーな配信面は、LINEのトーク画面を開いた際に上部に表示される「トークリスト」です。この面は、画像のデザインで視認性を担保しつつ、2行で表示されることを意識したタイトルづけが成果を左右します。画像(アニメーション)のフォーマットで出稿する場合は、商材画像を回転・スライドさせたり、図形やイラストを拡大・縮小したりといった動きをつけるのが効果的です。
「LINE NEWS」は、ニュースなど記事コンテンツの間に並んでも馴染むデザイン・画像活用を意識しましょう。新聞風のデザインや、UGC画像を取り入れた広告クリエイティブの成果が上がりやすい傾向にあります。
また、最近は縦型動画のフォーマットがSNSなどで浸透したこともあり、「LINE VOOM」の配信面も好評です。「LINE VOOM」を閲覧するユーザーは、気に入らない動画が出てくるとすぐにスワイプして次の動画を再生してしまうため、冒頭でキャッチーな画像やキャッチコピーを見せたり、音声なしで再生しても内容理解ができるテロップを表示したり、飽きないシーン展開や内容作りをしたりといった工夫が必要になります。
効率的なトレンド把握、スムーズな施策実施を手助けしたい
──ここまで、LINE広告のクリエイティブにおけるトレンドや課題解決法を教えていただきましたが、最後に本記事を見て「LINE広告に興味を持った」という方に向けてメッセージをお願いします。
黒岩 少人数で運営していて常に業務に追われているEC事業者の中には、LINE広告に対して「配信面が多く、どこで何を訴求したらいいのかわからないから手つかず」という方もいるのではないかと思います。
私たちとしては、月間9,500万人が利用するLINEの強みを活かし、こうした事業者のビジネス成長にも貢献したいと考えています。そのため、今後は管理画面内に「LINE Creative Lab」を組み込むなど、よりスピーディーにかつ簡単に広告クリエイティブの作成から審査、出稿までができる体制を整えていく予定です。情報だけでなく、直感的に手を動かすだけでアクションを起こせる環境構築、機能追加が大事だと捉えていますので、その点に注力して今後もLINE広告のサービスを磨き上げます。
相樂 「広告クリエイティブ」と聞くと、デザイン力が問われると思い、気負いして後回しにした結果、手が回らなくなってしまう方もいるかもしれませんが、LINE広告では最新トレンドを把握し、すぐに形にできる環境を整えています。「まずはテンプレート通りに」といったところからでも構わないので、ぜひ「LINE Creative Lab」を触ってみるところから始めてみていただけるとうれしいです。
柿崎 私も、クリエイティブ制作の部分で立ち止まってほしくはないと思っています。
LINE広告は画像(アニメーション)の入稿形式がAPNGであったり、他の広告面にはない画像サイズであったりと、「追加制作するのは工数がもったいない」と感じる方もいたかもしれません。しかし、「LINE Creative Lab」を活用する事業者の中には、既存素材を取り込み、数クリックでアニメーションを付与するだけで大きな成果につながっている事例もあります。「これだけでこんなに変わるのか」と驚く結果につながる可能性もあるため、ぜひ一度体験してみていただけたらと思います。