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営業利益率40%もセンター廃止で変わるか 「教育」系ネットビジネス代表2社の経営状況をチェック

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 教育関連のネットビジネスを展開しているイトクロ(6049)とチエル(3933)に注目してみた!

運営歴10年超え!「塾ナビ」のイトクロは営業利益率40%超

 個人的な感想や仲間内でのやりとりも多く、たわいもない話といえばそれまでだが、ネットへの書き込み、いわゆる“クチコミ”の影響力は侮れないものになっている。事実、クチコミをビジネスの武器にする企業が多数出現。化粧品のクチコミサイトの代表がアイスタイル(3660、過去記事)とすれば、教育関連のそれはイトクロだろう。

 2006年に設立、15年に株式上場したイトクロは、「塾ナビ」を中心に「みんなの学校情報」「家庭教師比較ネット」「医学部受験マニュアル」などのサイトを運営する。

 収集蓄積したクチコミをベースにした、各種ランキングやクライアントの塾などからの情報を掲載している。サイトを訪れる訪問者が、サイト経由で塾などに問い合わせたり、入塾の申し込みに至った場合に成果型報酬の支払いを受ける、というのが基本的なビジネスモデルだ。

 クライアント企業・塾に見込み顧客(ユーザー)を送客すればするほど収入が伸びる、という仕組み。格別に目新しさはないが、「塾ナビ」の提供開始は2007年と、他社に先んじて学習塾や予備校に着眼したことで、教育領域のポータルサイトにおけるシェア拡大を実現してきたといっていいだろう。

 「塾ナビ」に掲載している教室数は、8万教室を軽く突破。「塾ナビ」への年間訪問者は2,000万人に迫るまでになっている(17年10月期)。13年10月期と比べると、売上高は1.3倍強、「塾ナビ」訪問者は3.2倍強といったところだ。

  ちなみに、「塾ナビ」訪問者1人当たりの全体売上高への貢献金額は、以下のとおり。

13年10月期 512.9円
14年10月期 317.6円
15年10月期 288.1円
16年10月期 213.1円
17年10月期 213.0円

 訪問者が増えるにつれ、サイトへの関心度合いが低い人も多くなるというのは避けられない現実だが、クライアント企業・塾への送客に結びつける次なる一手が不可欠なのも事実。経営トップが2年間勤務したことがあるリクルートホールディングス(6098)など、大手を含む競合が増えてくるのも不可避である。

 そのためもあるのだろう。イトクロは利益を積み重ねてきているが、新たな展開に備えて、株式配当を見送り内部留保を厚くする方針を堅持しているようだ。

 20年度以降に実施される大学入試は、大幅に変更される。現在のセンター試験は廃止され、「大学入学共通テスト」に移行。英語については、これまでの「読む」「聞く」に加え、「話す」「書く」の4技能評価に変わり、英検やTOEICなどの主要民間試験での代用も可能になる方向だ。

 「進研ゼミ」のベネッセホールディングス(9783)が、オンライン英会話事業を拡大するなど、ビジネスチャンスととらえる企業が相次いでいるのも当然のことだろう。前述したリクルートホールディングスも、大学・専門学校関連のサイト「スタディサプリ進路」や、月額定額料金による見放題の授業映像配信「スタディサプリ」を本格化させている。


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