SNSを賑わす各社の従業員数と売上高推移をチェック!
ネット上でのつぶやきサイトを運営するツイッター社の今後の動向が不透明になってきた。電気自動車(EV)のテスラや宇宙ロケットのXスペースを率いるイーロン・マスク氏に買収されたからだ。ツイッターは22年11月上旬、ニューヨーク株式市場から退場。詳しい数字は明らかになっていないが、従業員の削減も進められているという。
ネットでの交流サイトを運営から仮想空間「メタバース」事業にシフトするメタ(フェイスブック)も22年11月、グループ全体で従業員1万1,000人以上を解雇する方針を打ち出した。当面の新規採用も凍結する。
ネット通販のアマゾン・ドット・コムも、リストラを進めるという。同社は世界一の実店舗スーパー、ウォルマートに迫るほどの売上規模を実現するためにひた走ってきた。
リーマンショック以降、10年余にわたって世界経済をけん引してきた米IT大手は、拡大路線の見直しなど、経営戦略の再構築を迫られていると見ていいだろう。
米金融当局が、物価高への対応として金利上昇政策へカジを切ったのが大きな節目である。IT各社はこれまで、低金利を背景に獲得したキャッシュを元手に企業買収を進め、人材採用や研究開発費にも多額の投資を続けてきた。各社は「金利引き上げ=景気引き締め」によるネット通販やネット広告の減速も懸念材料と見ているのだろう。
これまでの業績推移を確認しておこう。ツイッターがニューヨーク株式市場に上場した2013年(売上高6億ドル強、従業員2,712人)をベースに、3社の従業員数と売上高の推移を表にした。
3社とも売上高は右肩上がりである。13年12月期に比べ21年12月期の売上高は、アマゾンが6倍強、メタは約15倍、ツイッターは8倍弱だった。
たとえば、アマゾンの21年12月期売上高4,698億ドルは、1ドル140円の単純計算では約66兆円に相当する。トヨタ自動車の22年3月期売上高31.3兆円の2倍を超す規模だ。
3社は抱える従業員も増やし続けてきた。アマゾンは14倍弱、メタは11倍強、ツイッターも2.7倍である。メタは22年9月期の従業員が8万7,314人だったことを開示しており、21年12月末からの9ヵ月だけでも1万5,344人を増員していたことになる。