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季刊ECzine vol.24特集「Find out! Create new connection~テクノロジーで拡張する顧客体験と売り場の可能性~」

クチコミ、体験創出の糸口に 「試してみる」から商品理解を促す パイオニアが考える新時代の顧客戦略

 進化し続ける商品を磨くには、ユーザーの声が欠かせない。お試しサービスが広げる、高単価商材所有の選択肢。 ※本記事は、2023年3月25日刊行の『季刊ECzine vol.24』に掲載したものです。

 1938年に創業し、カーエレクトロニクス分野を中心に多様な商品・サービスを提供しているパイオニア。同社は近年、オンラインとオフラインがいつでもどこでも容易につながる環境を活かし、新たな事業展開・商品開発を積極的に進めている。

 こうした取り組みの代表格と言える商品が、モビリティ領域におけるあらゆる課題を“モノ×コト”で解決することを目指した会話するドライビングパートナー「NP1(エヌピーワン)」だ。2022年3月に発売した同商品は、その特性を活かしたアプローチ、顧客体験向上を実現すべく、同年10月より「お試しプラン」の提供を開始している。同プランの導入を決めたきっかけや、提供開始から約半年で得た発見、NP1の販売をきっかけに直販チャネルの構築を始めたパイオニアの今後の展望について、同社でCCDO(Chief Commercial&Digital Marketing Officer)を務める木村真紀さんに話を聞いた。

パイオニア株式会社 CCDO 木村真紀さん

未知の商品に必須な体験というアプローチ

 AIを搭載し、スマート音声ナビ、次世代通信型ドライブレコーダー、クルマWi-Fiなどの機能を提供するオールインワン車載器のNP1。「通信」で、最新の地図情報、サービス、機能などをアップデートし、GPSを用いて現在地に応じた店舗や観光地などのスポットを発話する同商品は、新時代のカーエレクトロニクスと言える。パイオニアもNP1を次世代事業の核として、新たなビジネス、ユーザーコミュニケーションの形を模索しているとのこと。

「常にフレッシュな情報を提供すべく、2023年2月には回転寿司『スシロー』やファミリー向けお出かけ情報サイト『いこーよ』、JTBパブリッシングが運営する観光情報ポータルサイト『るるぶDATA』と提携するなど、現在進行形で発話する情報量と質を高めています。NP1に話しかけるたびにAIがユーザーの趣味嗜好を学習するため、自分好みの提案をしてくれる点が特徴です」

 1台でこうしたさまざまな機能を提供する車載器は目新しく、「体験して商品価値を理解してもらう必要があった」と語る木村さん。また、価格もベーシックプラン(通信+サービス利用料1年分込み)で6万5,780円、バリュープラン(同3年分込み)で9万3,500円と比較的高単価であることから、利便性を訴求するだけではアーリーアダプター層以降の普及に壁が生まれると考え、あるアンケートを実施したと言う。

「まずはNP1購入検討者に向け、『NP1の購入をためらう理由』について聴取しました。複数回答形式で聞いたところ、『実際に商品を見てから決めたい』という意見が最多で46%、『商品の機能をもう少し理解したい』が35%、『クチコミなどの評判を見てから購入したい』が28%、『実際に商品を試してから決めたい』が21%となったのです。

 日本は国土が狭いため、近隣地域に店舗があるケースも多く存在します。そのため、『実際に商品を見てから決めたい』はNP1の商品サイト上で常にフレッシュな販売店情報を提供し、体験会を実施することで購入への後押しができると考えました。『クチコミが見たい』という声に応えるには、購入完了から一定の日時が経過した方にレビューを促すメールを送信するなど、一般的なマーケティング施策を施すことが考えられますが、これにはユーザーの増加が不可避です。発売当初はその前段階と言える状況だったので、『ユーザーを増やすにはどうすべきか?』と考えた結果、『実際に商品を試してから決めたい』という声に応えるお試しサービスを実施するのはどうか、という考えに至りました」

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

ECに関する情報を、さまざまな切り口からお届けできればと思います。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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