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リブランディングとアプリ運用に商機を見いだすオルビスの新しい戦いかた


 実店舗と公式オンラインショップでのコスメや健康食品の販売を事業展開するオルビスは、リブランディングやアプリ開発を進めたことで、再スタートを切りました。従来型のビジネスからどのように生まれ変わったのか、具体的な取り組みとともに解説します。

 女性向けの化粧品や健康食品、ボディウェアの開発・販売を手がけてきたオルビス株式会社は、2018年より同社のリブランディングをスタートさせています。同社はどのようなゴールを目指し、具体的にどのような施策を進めてリブランドを成功させたのでしょうか。

 この記事では、オルビス株式会社の新しい事業展開やアプリ運用について詳しく解説します。

オルビス株式会社の企業情報・事業内容の概要

 まずはオルビス株式会社の企業情報や、具体的な事業内容について解説します。

オルビス株式会社の企業情報

 以下の表では、オルビス株式会社の基本的な企業情報をまとめています。

社名 オルビス株式会社
本社所在地 東京都品川区平塚2-1-14
設立年月 1984年6月
代表者名 代表取締役社長 小林琢磨
株式公開 未上場
資本金 1億1,000万円
おもなグループ会社 株式会社ポーラ・オルビスホールディングス

オルビス株式会社の事業内容

 オルビス株式会社は、化粧品や栄養補助食品、ボディウェアなどのオリジナル商品の企画、開発、販売を手がける会社です。「ここちよさを科学する商品開発」と「自分らしい美しさ」の 実現サポートをコンセプトとしており、従来の人気商品の展開はもちろん、新しい体験価値を届ける新規事業開発にも力を入れています。

 カタログ販売をおもな販路としていた同社ですが、近年のデジタルシフトにともない、ECでの商品提供も進めるなど、時代や世代を超えて愛されるブランドとなるよう、多様なニーズに応え続けています。

オルビス株式会社の沿革

 以下の表は、オルビス株式会社の沿革を簡単にまとめたものです。

年月 沿革
1984年6月 オルビス株式会社設立
1987年5月 通信販売開始
1999年9月 ECサイト「オルビス・ザ・ネット」開設
2000年8月 オルビス直営店舗1号店オープン
2006年7月 台湾オルビス設立
2006年9月 株式会社ポーラ・オルビスホールディングス設立
2018年6月 スマートフォンアプリ「ORBISアプリ」サービス提供開始
2018年8月 新ブランドメッセージ「ここちを美しく。」を策定
2018年10月 月刊カタログ情報誌「ORBIS magazine」創刊
2020年7月 オルビス初の体験特化型施設「SKINCARE LOUNGE BY ORBIS」を表参道にオープン

 1984年に設立されたオルビス株式会社は、1987年に通信販売事業を開始し、以降は通販における存在感を高めていきました。1999年にECサイトを、2000年には直営店舗をオープンするなど、多角的に販売チャネルを構築してきたことがわかります。

 また、2006年にポーラ株式会社と株式会社ポーラ・オルビスホールディングスを設立し、ホールディングス傘下で2018年にリブランディングをスタートさせました。

 新たなブランドメッセージとともにアプリの提供やカタログ情報誌の提供を開始し、2020年には新形態の体験型施設も開設するなど、新しい動きを加速させているのが特徴です。

オルビスが復活に向けて取り組む新たな成長戦略

 オルビス株式会社は、新たな成長戦略をスタートさせるべく、リブランディングやアプリ開発を進めました。

 ここでは、それぞれの取り組みがどのように行われているのか具体的に見ていきましょう。

2018年からスタートしたリブランディング

 オルビス株式会社は、2018年にリブランディングをスタートしました。同社がリブランディングに舵を切ったおもな理由として、ブランドとしての世界観の統一感が意識されていなかったことがあります。

 とはいえ、これまで同社が積み上げた価値や成果は決して無駄ではなかったのも事実です。同社ではリブランディングを「これまでとはまったく違うことをやる」のではなく「オルビスの原点に立ち返ってさらに強化していくこと」ととらえ、続けるべきことと変えるべきことの取捨選択を行いました。

 具体的には、同社が提供価値として強調してきた、人が本来有している美しさを引き出す「スマートエイジング」のコンセプトを残し、それを如実に反映するアンチエイジングケア製品「オルビスユー」をリニューアルしました。 同製品は発売から2ヶ月で販売累計約67万個を突破し、同社のスキンケアシリーズの最高売上記録を更新したとのことです。

 リブランディングは生まれ変わりではなく、組織やブランドの持つ強みを洗練させるための取り組みであるということを体現したアプローチといえるでしょう。

「ORBISアプリ」がもたらした競争を勝ち抜く力

 オルビス株式会社はリブランディングにともない、2018年6月にスマートフォン向けの「ORBISアプリ」をリリースしました。同社ではDXを「顧客価値創出のためのブランド体験の進化」という目的達成に向けた手段と考え、アプリを通じたさまざまなサービス提供を行っています。

 たとえば、同アプリではAIを使ったパーソナルメイクアドバイザーや、アイブローシミュレーター、未来の肌を予想するシミュレーション機能などを提供し、デジタルでの体験価値を高めています。

 2022年10月時点でダウンロード数は460万件を突破しており、化粧品業界においては突出した数字を残しているとのことです。

 また、2020年7月には体験型の直営施設を東京にオープンし、顧客により近い、パーソナライズされた商品提供を進めています。

 このように同社ではオンライン・オフラインを問わず、顧客との接点確保やサービスの提供に注力することで、ニーズの解消に取り組んでいます。

オルビス株式会社の近年の動向

 ここでは、オルビス株式会社の近年の動向に関連するニュースを紹介します。

「ORBISアプリ」をリニューアル、美容伴走型のサービスを実装

 2022年11月、オルビス株式会社は「ORBISアプリ」をリニューアルし、ユーザーにパーソナライズしたスキンケア方法を提案する「肌カ.ル.テ」機能を実装しました。

 同サービスは自社商品の購買有無にかかわらず、ユーザーの悩みに寄り添うことを目的とした美容伴走型のコミュニケーションプログラムで、肌の状態に応じたアドバイスや商品提案を行っています。

 同サービスの利用を通じて、同社は継続的な顧客関係の強化を進めていくきっかけづくりを創出したいとしており、店舗サービスの利用と合わせた運用の促進を目指しています。

「香りの民主化」を進める香水ブランドを新たに展開

 オルビス株式会社はパーソナライズ香水ブランドを運営するセントピア株式会社と業務提携を結び、新ブランド「HELENUS(ヘレナス)」を立ち上げました。

 同ブランドのコンセプトは、自身の本来の香りを個性ととらえ、その可能性を最大限引き出すことです。オルビスが蓄積してきた肌の知見と、セントピアのフレグランスの知見を活かした、自分自身が有する香り「スキンセント」の可能性を引き出すアイテムを提供し、「新たな香りの民主化」を進めたいとしています。

店頭スタッフによる商品レコメンドや提案を提供する「Style Share」スタート

 オルビス株式会社は、2021年3月より株式会社バニッシュ・スタンダードが提供するDXサービス「STAFF START(スタッフスタート)」を導入しています。

 同ツールは実店舗のスタッフがECにおける販売促進へ積極的にコミットすることを目的としたもので、ブランドのオムニチャネル化を後押しする施策として注目を集めました。

 オルビスでは、実店舗のビューティーアドバイザーがECサイト上でお気に入り商品を紹介する「Style Share(スタイルシェア)」の活用を通じて、店舗とECの垣根を超えた次世代サービスの提供にも注力しています。

オルビス株式会社の気になるトピックス

 そのほか、オルビス株式会社の取り組みに関する気になるトピックスを以下でまとめています。

2022年8月23日:顧客サポート調査2022 サポートサイト評価1位は松井証券 2位はオルビス。接客DXを推進する化粧品業界が躍進

トライベック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:後藤 洋)の調査・分析機関であるトライベック・ブランド戦略研究所は、「顧客サポート調査2022」の調査結果からサポートサイト評価指数ランキングを発表しました。

2022年7月29日:オルビスの体験特化型施設『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』がオープン2周年!2周年を記念したコラボレーション企画として、イベントと限定ワークショップを実施

オルビスが表参道エリアにオープンしたブランド初となる体験特化型施設『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』は、2022年7月17日(日)にオープン2周年を迎えました。2周年を記念して、『APPLAUSE GARDEN』と週末限定イベントと限定ワークショップ開催のコラボレーション企画を実施しました。

2022年5月18日:ポーラ・オルビスHDが“学びの支援制度”導入 受講期間に給料や支援金支給

ポーラ・オルビスホールディングスは、従業員の自主的な学びや異分野での経験を促進するため「自主的な学びの支援制度」を5月から導入しました。

2021年11月17日:オルビス、ブランド初の移動型体験店舗『ORBIS WAGON(オルビス ワゴン)』2021年11月17日(水)より、千葉エリアにて期間限定スタート。新たな、ここちよいお買い物体験が可能に

オルビスは、OMO時代における顧客体験の向上を目的に、ブランド初となる、移動型体験店舗サービス『ORBIS WAGON(オルビス ワゴン)』を2021年11月17日(水)より千葉県の一部エリアから期間限定で営業開始。今後、順次展開エリアを拡大予定となっています。

2021年2月12日:パーソナライズ美容ケアD2C「FUJIMI(フジミ)」運営のトリコ、ポーラ・オルビスHDが買収

ポーラ・オルビスホールディングス(東証:4927、以下、ポーラと略す)の出した適時開示情報によると、パーソナライズサプリメントやパーソナライズフェイスマスクブランド「FUJIMI」を開発・提供する D2C スタートアップのトリコがポーラに買収されたことが明らかになりました。買収金額は38億円。

2020年8月20日:通販向け出荷ラインに無人搬送ロボットを導入 出荷能力が1.3倍に

ポーラ・オルビスグループのオルビスは、通販向け出荷作業の主要拠点であるオルビス東日本流通センターの通販用出荷ラインの刷新にともない、集荷から方面別仕分けまでを独自に自動化した「ティーキャリーシステム」を新設し8月25日から本格稼働させました。

まとめ

 この記事では、オルビス株式会社の近年の動向について、リブランディングやアプリ開発を中心に紹介しました。

 EC「オルビス公式オンラインショップ」やカタログ通販、実店舗販売とさまざまなチャネルを有する同社は、2018年のリブランディングを境に、自社の強みを見直し、それに特化したサービス提供へと舵を切っています。

 リブランディングと聞くとゼロからのスタートを想起させますが、同社ではあくまでブランドイメージの刷新に留まっており、デジタル技術を使って本来の強みを活かすための取り組みに力を入れてきました。DXやEC活用を検討するうえで、オルビス株式会社のリブランディングのアプローチは、非常に参考になるのではないでしょうか。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

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