コロナ禍で加速したオフラインとオンラインの融合。その流れは越境EC市場にも波及しています。エンターテインメントやホビーといったジャンルは越境EC市場では常に人気の定番ジャンルですが、中でもトレーディングカードの人気は高まりを見せています。
今回は、BEENOSグループで展開する越境EC導入サービス「Buyee Connect」を導入する企業の中から、コレクター需要だけでなく投資対象としても注目されるトレーディングカードECショップ「Clove」を紹介します。EC運営に携わる株式会社トラストハブのプロダクトマネージャー 服部雅史さんに話を聞きました。
発送代行サービスの利用動向から、ECショップでの越境EC対応を決断
「遊戯王オフィシャルカードゲーム(以下、遊戯王カード)」「ポケモンカードゲーム(以下、ポケモンカード)」などのトレーディングカード販売、買取、委託販売を行うCloveのECショップは、査定テクノロジーを活用し、安心して売買ができるプラットフォームとなっています。
トラストハブは、Cloveの各種SNSアカウントに海外顧客の問い合わせが多く寄せられることから海外需要を把握。問い合わせへの個別対応や海外ECプラットフォームへの出店など、日本国外に向けた対応を随時行っていました。出品金額の制限や商品登録の煩雑さを課題に感じていたところ、BEENOSが提供する「転送コム」を経由して複数の海外顧客が購入を行っている点に着目。そしてBuyee Connectを知り、ECショップへの導入を決めています。
これまでの記事でも繰り返しお伝えしてきましたが、海外顧客はECサイトが越境EC対応しているかどうかは関係なく、自分が求める商品の情報をサーチし、自ら情報にたどり着いています。こうした海外顧客からの需要の高さを受けて、トラストハブは海外向けのカートを整備。海外向けのSNSアカウント運用やプロモーションの実施も予定しているそうです。
なお、Cloveが取り扱うトレーディングカードは主にポケモンカードと遊戯王カードですが、海外顧客にはとくに前者の人気が高いことがわかっています。最近では約200万円の高額カード販売が成立しましたが、該当商品の購入者も海外顧客であると見られています。服部さんいわく、「ポケモンのようにもともとIP(知的財産)としてのコンテンツ力が高い『ONE PIECEカードゲーム』や、さまざまなIPを扱う『ヴァイスシュヴァルツ』などの人気が高まっている」とのこと。
海外におけるトレーディングカードの歴史はスポーツカードに始まりますが、ポケモンカードや遊戯王カードは資産価値、コレクター性という点で確固たる地位を築いています。現在、若年層もトレーディングカードを手にしている状況を踏まえると、この市場は少なくとも今後30年は続くと見られています。また、「幼少期に欲しかったトレーディングカードを大人になってから購入する」といった流れも、国内外問わず継続的に出てくるでしょう。海外市場の広がりにも期待できる領域と言えます。