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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

一歩踏み込んで掴む オンライン海外市場

北米エリアの消費者が欲しい日本商品は?データから需要の高い年齢層・価格帯、押さえたい時期や戦略を解説

 コロナ禍は、人々のデジタルシフトを加速させる一つのきっかけとなりました。失われたインバウンド需要取り込みのため、越境ECでの販路獲得を進めた方もいたでしょう。2023年以降はインバウンドの復活により、改めて「継続的な顧客接点構築」として越境ECが注目を集めています。本連載で、2024年に何をすべきか一緒に考えてみましょう。連載第18回は前回に続き、毎年著者が所属するBEENOSグループが発表している「越境ECヒットランキング」を基に、「データから見る北米」についてお伝えします。

前回の記事はこちら

コロナ禍の家中ホビー需要もきっかけに 北米エリアで人気な越境ECカテゴリは?

 前回の記事では、「データから見る東アジア」について紹介しましたが、今回はアメリカ・カナダを対象とする北米エリアの傾向やアプローチ方法をデータや事例から見ていきましょう。特にアメリカは、世界一の経済大国であるだけでなく、2021年には国別のシェアでトップになるなど、Buyeeでの流通も多い国となっています。

 まずは、北米エリアからの越境ECで人気なカテゴリトップ5の推移を見てみましょう。

北米からの越境EC カテゴリトップ5の推移

※2022年は例年とコンテンツで実施したため、エリア別のランキング発表はなし。2023年からはカテゴリの集計方法に変更を加えている(クリックすると拡大します)

 こちらのランキングを見ると、2020年から2023年まで北米エリアは一貫して「おもちゃ」系のカテゴリが上位を占めていることがわかります。

 中でも人気が高いのは、ビデオゲーム関連商材です。最新のタイトルやハードは現地で購入できるケースが多いため、越境ECでは過去に販売されたPlayStationシリーズやWiiシリーズ、ニンテンドー ゲームキューブ、NINTENDO64といったハード(ゲーム機本体)や、各機種向けのソフトのリユースが多く流通しています。

 この背景には、北米エリアでのゲームそのものの人気に加えて、日本のレトロゲームブームがあります。2021年には、1985年に発売された『スーパーマリオブラザーズ』が未開封の状態でアメリカのオークションに出品され、156万ドルで落札されたと話題になっていました。

 2023年のランキングで5位にランクインしている「フィギュア」は、2021年まで「おもちゃ・ゲーム」カテゴリで集計していましたが、コロナ禍に動画配信サービスが普及し、NetflixやCrunchyrollなどを通して日本のアニメが広く視聴されるようになったことで関連グッズの購入が伸びました。そのため、2023年から単独カテゴリとして扱ったところ、やはり上位に食い込む結果となっています。

 4位にランクインしている「トレーディングカード」も、「おもちゃ・ゲーム」から独立したカテゴリです。日本玩具協会によると、2023年度の日本国内玩具市場規模は、前年比107.1%の1兆193億円と、過去最高を記録しています。中でも伸び率の高い商品分野は、前年度よりも425億円売上を伸ばし、2,774億円市場となっている「カードゲーム・トレーディングカード」です。同カテゴリの市場規模は、コロナ禍以前(2019年度)の2倍以上となっています。

 カードゲーム・トレーディングカード市場がここまで伸びたのは、カードゲームやトレーディングカード自体の人気が高まっただけでなく、コロナ禍の外出自粛にともなう家中ホビー需要の普及や、社会問題としてニュースなどでも取り上げられているレアカードの高騰対策として、各メーカーが発行数を増やしたことなどが理由として挙げられます。今では、『ポケモン』『遊☆戯☆王』『ドラゴンボール』『ONE PIECE』といったコンテンツ作品から派生したものや、『ヴァイスシュバルツ』など日本発のカードが多数流通しています。

 おもちゃ・ホビー系需要以外には、「ファッション」と「音楽」も2020年以降のすべてのランキングでトップ5入りしています。「音楽」にはCDなどが含まれ、ジャンルとしてはロックやポップスのほか、ゲームソングやアニメソングも購入されています。

 「ファッション」では、デザイナーズをはじめとしたドメスティックブランドや、海外のハイブランド品が人気です。2020年、2021年でトップ5入りしていた「自動車・オートバイ」は、カスタムパーツなど部品類が購入されています。

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世界中でオタク化消費が増加 食品・飲料の伸びをけん引するのは○○○○○

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この記事の著者

BeeCruise株式会社 執行役員 グローバルマーケティング From Japan担当 本間哲平(ホンマテッペイ)

2008年 スタートアップのD2Cメーカーに入社。小売・流通業界のリアル店舗からEコマース分野において事業開発及びマーケティング全般を担う。2012年に同社グループのコスメ会社を経営責任者として立ち上げる。2014年tenso株式会社に参画し、国内ECサイトの海外販売支援に従事。2015年に同社の執行役員に就任。現在は国内企業の海外進出時のマーケティング事業や自社サービスの越境ECプロモーション、新規事業...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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