160件以上のくじが実施、7万5,000以上のユーザーが注文
次の展開は、自社で事業として成功をおさめた『WEBくじ』のシステムを他社に提供することだった。
「開始から1年ほど経ち、事業が軌道に乗り始めた頃に次の展開を考え始めました。純粋に実施するくじのタイトル数を増やして売上を上げる方法を考えると、当然ですがその分のリソースを増やさないといけなかったり、また、自社では版権獲得が難しいタイトルが出てきたり……といくつか壁が見えてきました。ならば、自社開発したオンラインくじのシステムをECのカートASPのように他の事業者様に利用していただこうと考えました。システムへの負荷などを考慮し、まずはクローズドで一部の企業様にご利用いただく形にしました」
約3年の試験提供の期間で160件以上のくじが実施され、7万5,000以上のユーザーが注文を行った。アニメやゲームほか、お笑い芸人やスポーツチームなどのくじを扱う15サービスへの導入実績がある。
「お客様にご利用いただく場合でもシステムは安定的に稼働し、またビジネスとしても成立しました。当社の『WEBくじ』事業も軌道に乗ったことから、オンラインくじ販売システム『くじラボ』として今回一般公開となりました」
在庫を持たないリスクの低い手法としてEC未経験者に好評
初期費用0円からと『くじラボ』を利用するハードルは高くない。
「お客様に主にやっていただくのは、サービスへのお申し込みと決済の審査やサイト制作に必要な書類の準備です。それ以外のドメイン取得や決済審査手続き、サイト制作など当社にお任せいただき、最短1ヵ月でくじの販売が開始できるようになります。お客様のブランドに合わせたデザインのカスタマイズも可能です。よくお問合せいただくのですが、ECモールのように『くじラボ』配下に他の企業様のくじと並列で並ぶのではなく、ご希望のURLで自社専用のくじサイトをお持ちいただけます。月額費用は売上連動型で、低リスクで始めていただけるようにしています。継続してご利用いただき、売上が上がって連動型だと厳しいという場合には別のプランもご案内可能です」
受注生産でリスク低く、また単純な物販よりも売上が上げやすいところから、たとえばEC未経験のアニメやゲーム関連の会社がオンラインくじからグッズ販売を始めてみるパターンが多いと言う。
「リアルなものではないアイテムも賞品に設定できます。たとえば、実店舗で販売するくじの賞品にデジタルコンテンツを採用する場合、QRコードを読み込むなどといったユーザー側の手間がありましたが、オンラインくじであれば当たってすぐにマイページからダウンロードいただけます。他にも、たとえばプロレスのくじでは『実際の試合で使用された蛍光灯の欠片』、アイドルのくじでは『オンラインで対話できる権利』といったものが実際にくじの賞品に設定された実績があります。ユーザーにとって魅力のある商品企画と、くじの価格や当たる確率が適正であれば、原価がほとんどかからないものでも賞品として喜んでいただくことができます」
くじに挑戦したことのないEC事業者にとっては、勘所がつかみづらい場合もあるだろうが『くじラボ』を利用することで商品企画の相談にも乗ってもらえる。
「当たる確率や賞品のランクについて自由に設定できますが、あまりにも当たる確率が低い場合などは悪い意味で話題になってしまうことがあります。どうしても賞品が欲しいユーザーの方は何十万円分もくじを引かれる場合もあります。より多くの売上を作り、利益率を上げられることがくじのメリットではあるのですが、ユーザーとの長期的な関係構築も重要だと考えています。そのあたりを踏まえた企画のアドバイスもさせていただきます」