アプリ独自機能・コンテンツ配信が鍵に 化粧品・アパレル事例紹介
アプリを重要な顧客接点と位置づけ、顧客の利便性を高めるには、絶えず課題点を洗い出し、改善点を反映・実装していく「運用」のプロセスも非常に重要だ。フルスクラッチ型であれば、開発工数を含めた大幅な調整が必要となるが、Yappliを活用すれば「これらも非常にクリアなものとなる」と語る神田氏。たとえば、プッシュ通知の配信は最短1分で設定でき、機能の追加も管理画面から直感的に操作することが可能だ。また、施策の効果検証もダッシュボードで可視化できると言う。
「プッシュ通知の配信は、テキスト・URLの設定を行うだけで実行できます。たとえば月末に『予算達成のために売上をもう少し底上げしたい』と思ったその瞬間に、施策を打つことが可能です。性別・生年月日など顧客の属性に応じたメッセージの出し分けや、GPS連動で指定したエリアにいる顧客のみに配信することもできます。加えてAPI連携を行えば、会員情報に応じたより細かな設定にも対応可能です」(神田氏)
ヤプリは、これまで700以上のアプリのリリース支援を行う中で蓄積したナレッジを活かし、導入後のオンボーディングにも積極的に取り組んでいる。これは、アプリが「リリースして終わり」のものでなく、いかに運用するかが成否を分けることの表れとも言えるだろう。
「当社は、アプリストアへの申請といった初期段階の作業からリリース後の運用体制構築のアドバイスまで、専門部隊が伴走して円滑なアプリ開発・運用を支援しています」(神田氏)
続いて神田氏は、Yappliを活用してインハウスでアプリ開発を実施し、成功を収めた2社の事例を紹介した。いずれも顧客視点でアプリの利用価値や提供サービスを追求した結果、大幅な売上増を達成している。
1. アプリ経由のリピート率70%達成 エイジングケアブランド「DERMED」
DERMED(デルメッド)は、三省製薬株式会社が展開するエイジングケアブランドである。50代以上の女性をメインターゲットとし、Yappli導入以前は「顧客の購入利便性向上、情報発信を強化したいが、アプリを自社で新規開発することは工数・費用感ともに難しい」という課題を持っていた。
「同社は、管理画面の使い勝手からYappliの導入に至りました。アプリリリース後は限定美容コラムの発信や、『アプリ利用はお得』というイメージ・価値訴求を強化するためにクーポンの配信を行うなど、ダウンロード・利用の促進を行っています。
同アプリは反響が非常に大きく、アプリダウンロード顧客のリピート率は驚異の70%を記録しています。また、アプリ経由の購入単価はウェブと比較して10%以上上昇しました。アプリ活用に顧客の年代は問わないことがうかがえる好例と言えます」(神田氏)
2. ダウンロード数約7倍 3ヵ月でアプリ経由売上2.5倍の「SAKAZEN」
坂善商事株式会社が展開する大きいサイズの専門店「SAKAZEN(サカゼン)」では、5年以上にわたりYappliを使ったアプリ運用を行っていたが、リブランディングにともないアプリリニューアルを実施。より多くの情報を顧客に届けるべく、ファーストビューのレイアウトを改善したほか、1日1回チャレンジできるアプリ独自のクーポンガチャ「SAKAPON!」を実装したところ、ダウンロード数を前年比7倍にまで押しあげた。なお、アプリ経由での売上も2.5倍に増加している。