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ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzine Day 2022 August レポート(AD)

リピート率70%のDERMED、経由売上2.5倍のサカゼン 自社アプリ運用を軌道に乗せる秘訣を伝授

 生活者の多くが日常的に活用しているスマートフォン。企業・ブランドは、このもっとも身近な顧客接点をどのように活用し、コミュニケーションを図るべきなのだろうか。アプリ活用はその選択肢のひとつであり、顧客に支持され選ばれる企業・ブランドの多くが現在注力している領域だ。すでにアプリ経由で商品を購入した顧客のリピート率が70%を記録する事例も存在し、強固なつながりを作る有効な手段と言えるだろう。2022年8月30日開催の「ECzine Day 2022 August」にて、株式会社ヤプリ マーケティング部コミュニケーショングループの神田静麻氏と、新規事業開発室の和田理美氏が登壇。これまでに700以上のアプリ構築を支援してきた立場から、ECとアプリの親和性の高さについて解説した。

ブランドビジネスはLTV思考へ コアファン育成にアプリが活きる

 ノーコードでアプリ開発を実現するプラットフォーム「Yappli」を提供するヤプリ。企業・ブランドが利用する管理画面や、顧客が触れるフロント画面の使いやすさを追求することで多くの支持を集め、2022年1月時点で累計ダウンロード数1億を突破。業種業態を問わず、幅広い活用が進んでいる。

「Yappliには豊富なテンプレートが用意されており、エンジニアのコーディングなしにドラッグ&ドロップでブランドの世界観を表現したアプリ開発が可能です。カスタマイズの自由度もあり、管理画面で追加したい機能を可視化しながら画面構築をすることもできます。もちろん、開発したアプリはiOS、Androidのどちらにも対応可能です」(神田氏)

株式会社ヤプリ マーケティング部コミュニケーショングループ 神田静麻氏

 現状、すでにさまざまな企業・ブランドがアプリの開発・運用を行っているが、「EC・小売においては、ポイントカードを搭載した販促ツールとして活用されるケースが非常に多い」と語る神田氏。実店舗・ECの体験をシームレスにする上で欠かせない存在になりつつあるアプリだが、神田氏は今回「とくにECとの親和性を強調したい」と言う。その理由として、次の3点をあげた。

  1. 生活者の誰もがスマートフォンを所持する時代。環境整備をせずとも、新たなサービスが提供できる
  2. 生活者は、すでに動画視聴、SNS利用などでウェブブラウザよりもアプリ経由での行動が多い。1日あたりのスマートフォン接触時間は平均約4時間にのぼっている
  3. コロナ禍により、急激にライフスタイルが変化。リモート・非対面・非接触の需要増加とともにデジタル接点の必要性が高まり、アプリ経由でアクションするハードルが低下している

 とくにブランドビジネスは、近年LTV思考への移行が顕著だ。アプリは日常的に顧客と接点を持ち、自然な形で関係の深化やリピートの促進ができるため、購入頻度やLTVの向上に取り組む上でも有効な策のひとつと言える。しかし、ウェブサイトとアプリの使い分けといったノウハウがない企業・ブランドにとっては、顧客へどのようなアプローチを行うのかなど、運用面での課題も気になるところではないだろうか。神田氏は「双方の長所を活かす、つまり『共存』の考えかたが非常に重要」とした上で、こう続ける。

「アプリは、顧客のスマートフォンのホーム画面に常にアイコンが表示され、ワンタップするだけで企業・ブランドの世界とつながることができるツールです。アクセスのしやすさを武器に、コアファン向けの深い情報をお届けするとより成果をあげることができるでしょう。

 ただし、新規顧客にはアプリダウンロードのハードルが存在します。よって、ウェブやSNSなど慣れ親しんだチャネルで認知度向上や集客を図り、獲得した顧客と深くつながる目的でアプリを利用することをお勧めしています。実際にこうした活用をするためにYappliを導入する企業・ブランドも増加している状況です」(神田氏)

 獲得した新規顧客を継続顧客、ひいてはコアファンに育てていく必要性について、神田氏はパレートの法則を例にあげながら、次のように説明する。

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「この図のとおり、コアファンは企業・ブランドの売上に非常に大きなインパクトをもたらします。こうした特徴に目を向け、当社はアプリという手段を使ってコアファンの育成を強化していただきたいと考えています。

 アプリには、コアファンの育成に取り組む上で3つのメリットがあります。ひとつめは『購入率があがる』こと。ウェブと比較してカート追加数が2.5倍に上昇することが当社の調査で明らかになっています。ふたつめは『再訪につながる』という点です。ウェブと比べ、再訪率が2倍になるという結果が出ています。これは、企業・ブランドや商品・サービス名をウェブブラウザで検索して訪問するよりも非常にシンプルなフローであることが理由です。3つめは『ファンが増える』こと。プッシュ通知などで企業・ブランドが発する多くの情報と接触する機会が増え、共感・理解が進むことでウェブと比べて購入額が2.7倍となっています」(神田氏)

アプリ独自機能・コンテンツ配信が鍵に 化粧品・アパレル事例紹介

 アプリを重要な顧客接点と位置づけ、顧客の利便性を高めるには、絶えず課題点を洗い出し、改善点を反映・実装していく「運用」のプロセスも非常に重要だ。フルスクラッチ型であれば、開発工数を含めた大幅な調整が必要となるが、Yappliを活用すれば「これらも非常にクリアなものとなる」と語る神田氏。たとえば、プッシュ通知の配信は最短1分で設定でき、機能の追加も管理画面から直感的に操作することが可能だ。また、施策の効果検証もダッシュボードで可視化できると言う。

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「プッシュ通知の配信は、テキスト・URLの設定を行うだけで実行できます。たとえば月末に『予算達成のために売上をもう少し底上げしたい』と思ったその瞬間に、施策を打つことが可能です。性別・生年月日など顧客の属性に応じたメッセージの出し分けや、GPS連動で指定したエリアにいる顧客のみに配信することもできます。加えてAPI連携を行えば、会員情報に応じたより細かな設定にも対応可能です」(神田氏)

 ヤプリは、これまで700以上のアプリのリリース支援を行う中で蓄積したナレッジを活かし、導入後のオンボーディングにも積極的に取り組んでいる。これは、アプリが「リリースして終わり」のものでなく、いかに運用するかが成否を分けることの表れとも言えるだろう。

「当社は、アプリストアへの申請といった初期段階の作業からリリース後の運用体制構築のアドバイスまで、専門部隊が伴走して円滑なアプリ開発・運用を支援しています」(神田氏)

 続いて神田氏は、Yappliを活用してインハウスでアプリ開発を実施し、成功を収めた2社の事例を紹介した。いずれも顧客視点でアプリの利用価値や提供サービスを追求した結果、大幅な売上増を達成している。

1. アプリ経由のリピート率70%達成 エイジングケアブランド「DERMED」

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 DERMED(デルメッド)は、三省製薬株式会社が展開するエイジングケアブランドである。50代以上の女性をメインターゲットとし、Yappli導入以前は「顧客の購入利便性向上、情報発信を強化したいが、アプリを自社で新規開発することは工数・費用感ともに難しい」という課題を持っていた。

「同社は、管理画面の使い勝手からYappliの導入に至りました。アプリリリース後は限定美容コラムの発信や、『アプリ利用はお得』というイメージ・価値訴求を強化するためにクーポンの配信を行うなど、ダウンロード・利用の促進を行っています。

 同アプリは反響が非常に大きく、アプリダウンロード顧客のリピート率は驚異の70%を記録しています。また、アプリ経由の購入単価はウェブと比較して10%以上上昇しました。アプリ活用に顧客の年代は問わないことがうかがえる好例と言えます」(神田氏)

2. ダウンロード数約7倍 3ヵ月でアプリ経由売上2.5倍の「SAKAZEN」

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 坂善商事株式会社が展開する大きいサイズの専門店「SAKAZEN(サカゼン)」では、5年以上にわたりYappliを使ったアプリ運用を行っていたが、リブランディングにともないアプリリニューアルを実施。より多くの情報を顧客に届けるべく、ファーストビューのレイアウトを改善したほか、1日1回チャレンジできるアプリ独自のクーポンガチャ「SAKAPON!」を実装したところ、ダウンロード数を前年比7倍にまで押しあげた。なお、アプリ経由での売上も2.5倍に増加している。

Yappli×Yappli CRMでOne to Oneを実現 オールハーツ・カンパニー

 ヤプリは、2021年10月にノーコードの顧客管理システム「Yappli CRM」をリリースしている。同システムは、アプリ経由で獲得した顧客データの蓄積・管理を実現。新規システム開発は不要で、登録から1~2週間程度で利用を開始できると言う。

「Yappli CRMは、『顧客管理機能』『CRM機能』『ポイント発行・管理機能』『電子マネー発行機能』を搭載しています。電子マネー発行機能は、飲食店などでよく見られるプリペイドカードを発行できるものです。カフェ&バーを展開するプロントなどですでに導入されており、オンライン入金と店頭チャージの両方に対応しているほか、チャージ金額に応じたボーナスバック、利用回数に応じたランクアップなど、ロイヤリティー向上を図る仕組みも提供しています」(和田氏)

画像を説明するテキストなくても可
株式会社ヤプリ 新規事業開発室 和田理美氏

 YappliとYappli CRMを組み合わせて活用する最大のポイントは、顧客データの一元管理により会員ランク、最終購買日、来店日などに応じたOne to Oneの細かなアプローチができる点にある。たとえば、ECであれば顧客がどのようなページを遷移して商品検索・購入に至ったか、購入後に新たな体験をしているかといった、一連のカスタマージャーニーに応じた施策展開も可能だ。

「アプリ初回起動日や最終起動日、閲覧履歴など顧客の行動に応じたプッシュ通知の出し分けを実現できるのも、YappliとYappli CRMの双方を使うメリットです。頻繁にアプリを起動する顧客には新商品のお知らせを、長期間アプリを開いていない顧客にはアプリ活用に関する案内をお送りするなど、実店舗の接客のように顧客に合った体験を提供できます。また、購入後のクチコミ、レコメンド提示によるクロスセル促進やアンケート配信による顧客の声の収集・蓄積もスムーズに実施することが可能です。

 なお、こうした貴重なデータがYappliに閉じている状態は非常にもったいないと考え、ほかのCRM、MA、CDPツールなどとのAPI連携もできるようにしました。慣れ親しんだツールを用いて、さらに細かな顧客行動の分析も実現できます」(和田氏)

 ここで和田氏は、YappliとYappli CRMを併用して成果を得ている株式会社オールハーツ・カンパニーの事例を紹介した。同社は「HEART BREAD ANTIQUE」や「ねこねこ食パン」といった、ベーカリー・パティスリーブランドを全国展開する企業である。

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「オールハーツ・カンパニーは、運営する8ブランド間の併売率をアップさせたいという要望をお持ちでした。そこで、顧客理解を深めるためにYappliとYappli CRMを用いたデータ活用・施策展開を行っています」(和田氏)

 すでに実行した施策は、次のとおりだ。

  • 購入時アプリ提示でマイル付与、貯まるとクーポン券と引き換え
  • 顧客アンケート回答でマイル付与
  • 最終購買店舗でセグメント作成、プッシュ通知で別ブランド訴求を実施
  • 店頭POP・スタッフによる声がけで、アプリダウンロードを訴求

「結果としては、アプリリリースから約3ヵ月で18万ダウンロードを達成し、顧客の購買単価がアップしたブランドも存在しています。成功の鍵は『運用体制の確保』と『継続的な価値訴求』です。顧客の期待を損なわないためにも、持続性のあるアプリ運用体制の構築は欠かせないものと言えるでしょう」(和田氏)

 最後は、Yappliによく寄せられる質問について神田氏が回答。「メルマガやLINE、SNS、アプリとさまざまなチャネルがある中で、もっとも効果が高いのはどれか」「顧客がプッシュ通知をオフにした場合のアプリの効果」について次のように語り、セッションを締めくくった。

「もっとも効果が高いチャネルは、重視する指標によって変わります。ここで私がお伝えしたいのは、『継続顧客やファンが頻繁に使うツールはアプリである』ということです。

 当社が支援する企業・ブランドの多くが、アプリだけでなくさまざまなチャネルで施策展開を行っていますが、リピート率が圧倒的に高いのはやはりアプリです。しかし、どの手段を用いるにしても『運用できるか』がいちばんのポイントと言えます。『効果が高いからアプリを始めよう』と動き始めても、運用体制を構築できなければ長続きしません。

 また、プッシュ通知については許可率が平均50%程度であると言われています。こうお伝えすると『約半数の顧客には何も施策を打てない』と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。たとえ通知がオフになっていても、スマートフォン内にアプリが存在していれば、顧客が能動的にアプリを開いた際にクーポン配信やセールの存在に気づいてもらえます。

 そもそも顧客がプッシュ通知をオンにするメリットは、リアルタイムで緊急性の高い情報を受け取ることができる点にあると言えます。許可率アップが課題である場合は、こうした価値訴求を強化すると良いでしょう。顧客は定期的にスマートフォン内のアプリを整理することもあるため、削除リストに入らないよう、日頃から地道にコンテンツ運用を行い、価値を維持し続けることも重要です。『通知オンにしておこう』と顧客に思ってもらうにはどうすべきか、そのきっかけ作りを常に意識して、成果を向上させましょう」(神田氏)

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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