BeeCruise株式会社の本間です。本連載では、前回まで決済、配送、カスタマーサポートといった越境ECの運用面のポイントや、越境ECでも人気のあるエンターテインメント領域に特化した内容を、事例を交えながらお伝えしてきました。今回は、これまで解説してきたポイントを踏まえた上で越境ECに取り組んでいる企業の事例をご紹介します。
インバウンド顧客のリピート促進へ 京都のがま口専門店「AYANOKOJI」
今回ご紹介するのは、秀和株式会社が運営する職人が手作りする京都のがま口の専門店「AYANOKOJI」のお取り組みです。同ブランドでは、現代の名工に認定された職人が監修するがま口商品の販売、コラボレーションアイテム、和風以外にもモダンなテイストのアイテムなど現代の生活やファッションにも馴染むデザインのアイテムを幅広く手掛けています。がま口の口金も独自に製造し、伝統の継承と革新性が人気を集めて全国に店舗を展開している点が特徴です。
同ブランドでは、オンライン販売にも力を入れており、ユーザビリティを重視したサイトデザインにこだわっています。たとえば商品カテゴリーだけではなく、「ギフトを贈りたい」「ノートPCが入るバッグが欲しい」「冠婚葬祭におすすめの商品は?」といったように、購入目的に応じた商品検索ができるメニューを顧客の一番目につく場所に配置しています。また、オンラインショップに来た顧客が導線やサイトの使いかたなどで迷わないようにチャット機能を搭載するなど、デザインや機能にもこだわっています。
デザイン性が高く、日本独自の工芸品でもあるがま口アイテムは、とくに訪日外国人観光客からお土産アイテムとしても人気を集めています。そこで、同ブランドは旅行の際に店頭で商品を購入した海外顧客が帰国後にも商品をリピート購入できるよう、越境ECの取り組みを開始しました。