情報洪水社会で消費者に情報を届けるには何をすべきか
こんにちは。ラクスル株式会社 エリアマーケティング事業部の松本拓隼と申します。連載「OMO時代における理想のカスタマージャーニーの描きかた」の第4回~第6回は、エリアマーケティングの活用方法やポスティングなど紙媒体を活かした広告に積極的な投資をする企業の事例について紹介してまいります。
早速ではありますが、ウェブ広告と折込チラシやポスティング広告の特徴の違いについて説明させてください。スマートフォンが普及し、SNSも台頭した現代では、さまざまなメディアを通して欲しい情報に簡単にアクセスできるようになりました。しかしそれは一方で、自社のサービスやプロダクトを訴求するためにインフィード広告やLP広告などを打っても、情報が溢れているがゆえに消費者に届かず、流されてしまう可能性があるとも言えます。
これと同様のことは、テレビCMにも言えます。多様化するライフスタイルの中では、集中してテレビを見ているわけではなく、炊事など何かほかのことをしながらCMに触れる機会も多いでしょう。どんなに完成度が高く、クリエイティブに富んだCMを作っても、ターゲットにしっかり浸透しなければ訴求効果は期待できません。どんな打ち出しかたをすれば潜在層に刺さるのか参考にしていただくために、当連載では第2回でCake.jp、第3回でCAMPFIREの事例をご紹介しました。いずれも、当社の運用型テレビCMサービス「ノバセル」を活用して、テレビCMでのマーケティングを成功させた事例となっています。
紙媒体の広告は、リーチの確実性や残存価値がメリット
広く届けることができる反面、取りこぼしも多く発生するウェブ広告やテレビCMと比べると、折込チラシやフライヤーといった紙媒体を使ったポスティング広告は、確実に消費者へ情報のリーチができる手法と言えます。そのため、エリアマーケティングとして効果的です。
手触り感のある紙媒体は、ウェブ媒体と比べて興味関心を持つ消費者に向けた情報伝達力に優れています。そのため、多くの情報を詰め込んでも高い訴求効果が期待できる点が特徴的です。
エリアマーケティングの手法のひとつに屋外広告(OOH)がありますが、通りがかりなど視野に入る限られた時間の中で接触するタイプの広告であるため、ブランド認知には適しているものの、消費者の行動変容につなげるのは難しい側面があるのも現実です。
対するポスティング広告は、生活者が直に手に取るため目に留まる可能性が高く、近距離で視野に入ることから、興味喚起ができれば心に残りやすいものと言えます。たとえば、食品を扱う企業であれば、チラシにメニュー表やクーポンを掲載することで利用シーンが来るまで保存し、行動変容のチャンスを生み出しやすくすることができるでしょう。紙媒体を使った広告は、「消費者への残存価値」や「特定の顧客層へのリーチ力」に優れている点がウェブ媒体との大きな違いと言えます。