情報番組でものづくり企業のかっこ良さを伝える「逸品ハンター」
メ~テレが長年オンエアしている朝の情報番組「ドデスカ!」。2021年4月より土曜日にも枠を拡大し、「ドデスカ!ドようびデス。」として、東海地方の旬な情報をさまざまな視点から届けている。
そんな同番組内で1ヵ月に1回のペースでオンエアされているのが、地元企業が応援購入サイトMakuakeで発表した新商品の魅力やこだわりをレポートし、販売の成功を後押しするコーナー「逸品ハンター」だ。中国江蘇省生まれでアーティスト・タレントとして活動するJulieさんが、レポーターとして地元のものづくり企業に潜入。各社が持つ技術を使い、新たな切り口で生み出された製品のストーリーを伝えることで、それに共感した人々による応援購入を促進し、地元企業と新たな顧客との接点を生み出している。
メ~テレの東京支社で営業部企画戦略チームに所属し、同コーナーのプロデューサーを務める伊藤さんは「逸品ハンターが生まれたきっかけは、2020年の秋頃」だと振り返る。メ~テレ内で「情報番組内のコーナー」かつ「地元貢献」をキーワードにした社内企画コンペが行われ、伊藤さんはMakuakeを活用した地元ものづくりメーカーのEC販売、越境進出支援の企画を提出。コンペを勝ち抜き、2021年6月からオンエアが始まっている状況だ。
さまざまな企業が自社ECを立ち上げたり、応援購入サービスを活用した販路開拓に挑んだり、「新たな売りかた」と向き合っている現在だが、伊藤さんはコロナ禍以前よりテレビ×ITでものづくり企業を支援する可能性に目をつけていたと言う。
「2017年にメ~テレが開局55周年特別イベントとしてハッカソンイベントを実施し、その模様を『メイキン クエスト』という特別番組でオンエアしたのですが、これも私の企画がコンペに通り、実現したものです。このハッカソンは『地元の伝統工芸をハックする』というテーマで実施しました。東海地方の伝統工芸品を会場に展示し、全国から集まったエンジニアやデザイナーが新たな技術を使ってそれらをパワーアップさせ、新たなお土産を生み出すことが趣旨のイベントです。
当時は3DプリンターやIoTを活用した家電が世の中に出てくるなど、メイカームーブメントが生まれていました。自分は今東京にいて、こうした仕事をしているからこそ、テクノロジーやインターネットを活用した新たなものづくりや、ものの売りかたを知ることができていますが、こうした情報は地方にいるとなかなか手に入りにくいのも事実です。私自身、愛知県出身で家族や友人・知人にもメーカーで働く人が数多くいます。彼らのかっこ良さやものづくりの魅力をテレビの訴求力とインターネットの利便性をかけ合わせて広く世に伝えていきたい。そう考え、さまざまな切り口で企画を考えています」
逸品ハンターの直近のオンエア(2021年10月23日)では、三重県大台町で赤ちゃん肌着を製造するソフトママ有限会社が幻のオーガニックコットン「アルティメイトピマ」を使った大人用のTシャツ作りにチャレンジする様子を紹介している。