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季刊ECzine vol.09特集「Shift to OMO ~オンとオフを融合するためのアイディア~」

既存の枠にとらわれないサービス設計を アメリカ視察から考える日本のリテールビジネスが向かう先


 「今までの延長線ではOMOを実現することはできない」。そう語る郡司さんは、アメリカ視察で何を感じたのだろうか。※本記事は、2019年6月25日刊行の『季刊ECzine vol.09』に掲載したものです。

 2019年2月。最新小売事情の視察のため、アメリカのシアトルとサンフランシスコを訪れた郡司さん。いまや無人店舗の代名詞となりつつあるAmazon Goをはじめ、新しいリテールの形を積極的に追求するアメリカの現況から、日本のEC事業者は何を学べばいいのか。オムニチャネルに代わるワードとしても注目されている「OMO」を実現するためには何をするべきか。郡司さんに話を聞いた。

店舗のICT活用研究所 代表 郡司昇さん
店舗のICT活用研究所 代表 郡司昇さん

Amazon Goはセンサー類が大きく進化

 視察中とくに印象に残った店舗として挙がったのは、郡司さんにとって2018年5月以来2度目の訪問となるAmazon Go。当時は1号店のみだったが、2019年4月時点ではシアトルとシカゴに各4店舗、サンフランシスコにも3店舗と、急激にその数を増やしている。郡司さんは9ヵ月ぶりに訪問したAmazon Goを「表面上変化がないように見えて、中身がだいぶ進化していた」と表現。中でももっとも進化していたと感じたのは「センサー類」だと言う。

「以前訪れたときは、天井にカメラが250台くらいあり、普通のRGBカメラと市販のToF方式LiDARセンサー(※)を組み合わせていましたが、今回見に行ったサンフランシスコの店舗では、RGBと深度センサーを兼ねたAmazonが独自に開発したカメラが使われていました。また1号店では、天井だけでは感知しきれない、棚に手が入ったかどうかを確認するために、1枚約90cmの棚の裏にセンサーカメラが16個ほどついていました。店内の合計数をざっと計算すると、その数4,000台ほど。これがサンフランシスコの店舗ではごっそりなくなっており、天井のカメラと棚に備え付けられた重量センサーだけになっていました。4,000台がなくなっているので設備費も急激に下がっているでしょう。

 それにともない、商品のパッケージも大きく変わっていました。たとえば以前のサンドイッチのパッケージを見ると、正面には商品名が記され、パッケージの上には商品ごとにユニークな数字と図形の組み合わせが書かれていました。これらは、天井のカメラから商品を認識しやすくするために記されているものと推測していました。ところが今回、そういった記号は一切なくなっていた。センサーとAIを組み合わせたセンシング系技術の発達により、お客様にとってより魅力的なパッケージに変えることができたのではないでしょうか」

2018年5月(左)の時点ではパッケージ上部に記されていた記号が、2019年2月(右)ではすべてなくなっていた。この進化に「Amazonの本気を感じた」と郡司さん。

2018年5月(左)の時点ではパッケージ上部に記されていた記号が、2019年2月(右)ではすべてなくなっていた。
この進化に「Amazonの本気を感じた」と郡司さん。

※LiDAR(Light Detection and Ranging)は、光を用いたリモートセンシング技術のひとつで、パルス状に発光するレーザー照射に対する散乱光を測定し、遠距離にある対象までの距離やその対象の性質を分析する

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この記事の著者

ECzine編集部 中村 直香(ナカムラナオカ)

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