ICT総研は、「2021年 フードデリバリーサービス利用動向調査」の概要をまとめた。主な調査結果は、次のとおり。
フードデリバリーの市場規模は2021年に5,678億円、2023年に6,821億円へ
同社の推計では、ネット注文によるフードデリバリーサービス市場は2018年に3,631億円だったが、2019年には4,172億円へと市場規模が拡大した。さらに新型コロナウィルスの感染拡大で外食自粛が目立ち始めた2020年は4,960億円へと市場規模を大きく伸ばしている。2021年もコロナ禍での利用拡大が続くため5,678億円に成長、2022年に6,303億円、2023年に6,821億円に拡大すると予測した。
フードデリバリー利用率は32.3% 非利用者のうち70%が3年以内の利用を検討中
同社が2021年2月に実施したウェブアンケート調査の結果では、最近1年以内にスマホアプリやパソコンなどを使用してフードデリバリーサービスを利用したことのある人は 32.3%(1,164人)、利用したことがない人は 67.7%(2,440人)だった。利用者の約7割が男性で、女性は3割。年齢別では30代~50代が7割を超えており、20代の利用者は1割以下に留まっている。
今後利用してみたいと回答した人は非利用者の70%(全体の47.4%)を占めており、すでに利用している人と合わせると全体の80%に達する。フードデリバリーサービスの潜在需要はかなり大きいと推測される。
利用者数トップは出前館、2位は僅差でウーバーイーツ、3位ドミノ・ピザと続く
同調査結果では、出前館の利用者がもっとも多く428人だった。2位はウーバーイーツ(Uber Eats)が426人と僅差で続いている。3位はドミノ・ピザで387人、4位はピザハットで200人、5位ピザーラ185人とピザ系のデリバリーサービスが上位を占めている。6位以下は、楽天デリバリー105人、dデリバリー84人、menu 41人、foodpanda 34人という回答結果となった。
利用者満足度1位はドミノ・ピザ、2位にピザーラ、ピザハットが僅差で3位
ウェブアンケートで「フードデリバリーサービスの満足度」を聞いたところ、トップはドミノ・ピザで77.4ポイント、ピザーラが2位で75.5ポイント、3位がピザハットで75.3ポイントであった。上位3サービスはいずれもピザ系のデリバリーサービスであるが、これらのサービスは宅配業務を各店舗が直接運営することが多く、トラブルが生じにくいシステムになっていることが高評価の要因と思われる。
4位のdデリバリーは上位グループとほとんど差がなく 75.0ポイントで高い評価を得ている5位以下は、楽天デリバリーが72.1ポイント、出前館が71.5ポイントとなっている。ウーバーイーツはやや評価が低めで63.5ポイント、menuが60.2ポイント、foodpanda が57.8ポイントと続く。
主な不満要因はサービス料金の高さ、到着時間の遅さ、料理の品質
アンケート結果によると、フードデリバリーサービスに「不満」を感じる理由として、143人が料理代金以外の費用がかかることを挙げている。また、到着時間が遅れることがある(67人)、料理が冷めている(61人)といった不満要因も目立つ。不満の原因はこのほかにも、到着までの時間、配達員とのトラブル、問い合わせのしにくさ、アプリなどの使い勝手、決済手段などさまざまなものが指摘される。フードデリバリーサービスは急拡大しているが、今後はこれらの課題を解決していくことが求められる。
調査概要
- 調査方法:フードデリバリーサービス業界への取材結果に加え、インターネットユーザーへのウェブアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析
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調査対象:フードデリバリーサービス業界およびインターネットユーザー3,604人
※フードデリバリーサービスの利用状況や満足度に関するウェブアンケート調査では、3,604人のなかからフードデリバリーサービスを利用している441人を抽出し分析。 - 調査時期:2021年2月2日~2月9日