大日本印刷(DNP)は、企業が流通事業者などを通さずに、自社のECサイトで直接生活者に商品・サービスを販売する「Direct to Consumer(D2C)」の事業を支援する「D2C支援サービス」を開始する。
同サービスは、サービス設計や商品開発からECサイトの構築・運用、商品配送などの物流、プロモーションなど、D2Cに必要な機能を一貫して提供するもので、D2Cを手掛ける企業のパートナーとして、より付加価値の高い商品・サービスを生活者に提供することを支援するという。
国内の生活者向けEC市場の規模は約19.4兆円(2019年経済産業省「電⼦商取引実態調査」)で、直近の新型コロナウイルスの感染拡大防止対策のなかで、“非接触・非対面”のECはさらなる成長が見込まれている。そのなかでも各企業は、流通事業者などを通さず自社の商品・サービスを直接生活者に届けるD2Cに注目。しかしD2Cの実現には、ECサイトの構築や顧客管理なども全て自社で行う必要があり、技術・ノウハウを含む経営資源の不足が課題となっている。これを受け同社は、D2Cに必要な機能を一貫して提供する同サービスを開始した。
同サービスの特徴は、次のとおり。
企業と⽣活者をつなぐ顧客体験(カスタマー・エクスペリエンス/CX)をデザイン
同社が⻑年、消費財メーカーに対して内容物の充填や包装などを幅広く⽀援してきた“モノづくり”の実績・ノウハウと、⽣活者の価値分析を通じて⾰新的なサービスを開発する「サービスデザイン」の⼿法などを組み合わせ、⽣活者の共感を⽣む商品・サービスを⽀援。商品・サービスの開発では、同社や協創パートナーとして他企業を結び付けたオープンイノベーションの取り組みも可能だという。
事業戦略とフルフィルメントをセットにしたPDCAマネジメントを推進
事業戦略⽀援やプロモーションの実⾏と効果検証をはじめ、D2Cで必要となるECシステム(ECサイト・通販業務⽀援システム「CommerceLine SP」)や物流(梱包・発送)機能、コンタクトセンターなど⼀連のフルフィルメントサービスをワンストップで提供。事業のPDCAサイクル全体をマネジメントし、⽣活者の声を素早く商品・サービスに反映させて顧客満⾜度の向上へつなげることを目指す。
D2C事業の成⻑に合わせた⽀援の提供
D2C事業の事業性評価段階から成熟期まで、事業フェーズや企業の課題に応じて同社のリソースを柔軟に提供することで、事業の安定した成⻑をサポートする考え。
今後は、⽣活者に直接商品・サービスを提供するD2C事業の強化を⽬指すメーカーなどに同サービスを提供し、2025年度までに関連サービスも含めて約100億円の売上を⽬指すとのこと。