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SBがIoT宅配ボックスサービス事業化に向け実証実験 サブスク型、専用アプリで解錠や配送状況確認

 ソフトバンクは、物流業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を目的に、IoT宅配ボックスサービスの事業化に向けた実証実験を行う。パナソニックおよびビットキーの協力のもと、両社が共同開発したIoT宅配ボックスを用いて実証実験を行い、2020年度内の事業化を目指すという。

 近年、物流業界では、労働人口の減少により配達員が不足する一方で、ECの拡大により宅配便の取扱個数が増加し、高い再配達率が深刻な課題となっている(国⼟交通省が実施した2019年10⽉期「宅配便再配達実態調査」によると、再配達率は15%)。

 また、新型コロナウイルスの影響拡大を受けて非対面での受け取りニーズが高まるなかで(パナソニックが実施した「宅配便受取に関する意識調査」によると、荷物の受け取り⽅として約70%の⼈が「⾮対⾯がよい」と回答)、「置き配」の普及にともなう盗難被害なども問題視されるようになり、防犯性に優れた宅配ボックスの需要が高まっている。

 同社は、通信事業を基盤に最新技術を活用した産業のデジタル化に取り組んでおり、その一環として物流業界の変革に注力。新たにIoT宅配ボックスサービスの事業化を通して荷物の「受け取り方改革」の実現を目指すことで、物流サプライチェーン全体の効率化に向けた取り組みを加速させたい考えだという。

 新事業では、主に一戸建ての居住者向けに、初期費用不要のサブスクリプションモデルによるIoT宅配ボックスサービスの提供を目指す。スマートフォン向けの専用アプリを使ったBluetoothによる解錠機能のほか、集荷をともなうほかのサービスとの連携なども視野に入れており、住宅業界や家庭向けインフラ業界と協力した販売活動などを検討。同実証実験では、ソフトバンクが自社の社員を対象にIoT宅配ボックスおよび専用アプリを提供し、システムの実用性やユーザーの利便性を検証する。

 使用する宅配ボックスはパナソニックとビットキーが共同開発したもので、専用アプリとBluetoothで接続して操作することにより解錠可能。耐久性・耐候性に優れ、工事不要で設置できるパナソニックの宅配ボックスに、ビットキーの高セキュリティーなデジタル認証技術を活用した鍵の開閉機能を備えることで、ユーザーの利便性と安全性を確保している。また、専用アプリでは、宅配ボックスの解錠のほか、荷物の配達予定日時や配送状況の確認などを行うことができるとのこと。

実証実験の概要
  • 期間:2020年9⽉上旬〜11⽉上旬(予定)
  • 対象者:埼⽟県、千葉県、東京都、神奈川県に在住するソフトバンク社員
  • 各社の役割
    ソフトバンク:事業化に向けた検証、IoT宅配ボックスおよび専⽤アプリの提供
    パナソニック:IoT宅配ボックスの開発(宅配ボックス本体の製造)
    ビットキー:IoT宅配ボックスの開発(デジタル認証技術「bitkey platform」の提供)

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