訪日客が買っているもの1位は「菓子類」
みずほ情報総研は、訪日旅行を通じた外国人顧客向けマーケティング施策の検討を目的として、外国人旅行者の訪日前、訪日中、訪日後の購買行動・意識に関する調査を実施した。
訪日中に購入した商品は「菓子類」が94.7%と最も購買率が高く、「その他食料・飲料」(90.3%)、 「化粧品・香水」(85.3%)、 「衣類・鞄・靴」(85.2%)が続いている。
日本での購買体験に高い満足度
全体として、訪日中に買い物をした店舗や商品に対する満足度が高かった。特に、「商品の品質の高さ」(4.25)、「商品の価格の安さ」(4.13)、「店員の接客態度」(4.13)に対する満足度が高いことがわかった(※)。
※「非常に満足した」を5点、「やや満足した」を4点、「どちらともいえない」を3点、「あまり満足しなかった」を2点、「全く満足しなかった」を1点としたときの平均点
訪日後の再購買行動
商品種別によらず、60%以上の人が訪日旅行中に購入した商品を帰国後に再購買している。入手チャネルとしては、現地店舗の割合が4~5割と高くなっているが、「電気製品」「衣類・鞄・靴」「トイレタリー/その他日用品」は、ECによる購入割合も高かった。また、その後日本に旅行に行った友人・親族に買ってきてもらったという人も一定の割合でいることがわかった。
帰国後に再購買しない理由として最も当てはまるのは、「越境ECの送料が高い」であり、海外から商品を取り寄せる越境ECは普及しているが、送料の割高感から購入に慎重になっていることが考えられる。次いで、「居住地近辺の店舗に商品が置いていない」「置いてあっても価格が高い」が購入しない理由として挙げられており、日本の店舗との商品ラインナップの違いや割高感がハードルとなっていることがうかがえる。
今回の調査結果から、多くの訪日外国人が、訪日中に購入した商品に対して「帰国後に再度買いたい」という感情的なロイヤルティを持ち、さらに「実際に再度入手した」という行動的なロイヤルティも現れている。
みずほ情報総研は、帰国後の再購買を促進するためには、「訪日中の買い物満足」や「訪日前の情報収集行動」といった感情的ロイヤルティに影響を与える要素への対策を講じるとともに、「越境EC対策」「現地での商品価格や品揃え」などの行動的なロイヤルティの障害となる事象を取り除くことが必要だと分析している。
【調査概要】