モバイルWebを高速化する「AMP」
コンテンツの表示に3秒以上かかると、多くのユーザーがそのウェブサイトの閲覧をやめてしまうという調査データもあるように、表示速度の遅さは、オンラインで必要な情報を探しているユーザーにとって不便であるだけでなく、コンテンツを提供する側にとっても大きな障壁となる。
このような状況を改善するために、Googleは業界各社と協力のもと、昨年10月に「AMP(Accelerated Mobile Pages)」プロジェクトを発足。読み込み速度とユーザーエクスペリエンスを重視して開発されたAMPは、HTMLに似た新しいフォーマットを導入している。手法のひとつとしては、ページに個別のJavaScriptを追加する機能を制限し、代わりに再利用可能なコンポーネントを活用することで、ページの読み込み速度が向上する方法が挙げられる。
アクセス解析ツールも対応
1月28日に、AMPページの測定を可能にするアナリティクス コンポーネントの提供が発表されると、Googleは高速表示モバイルページのパフォーマンスを測定できるGoogleアナリティクスの新しい測定機能をリリース。また、2月24日には、Adobeも、Adobe Analyticsの新機能を発表し、媒体社はAMPエクスペリエンスのリーチと影響を測定可能になった。
Google検索で、AMP対応ページが見つけやすく
また、2月25日から、AMPに対応したウェブページがモバイルGoogle検索の結果上で見つけやすくなった。これらは、検索キーワードと関連性がある場合に検索結果に表示され、たとえば、その日のトピックをモバイル端末で検索している場合に、検索結果内の「トップニュース」の項目下にAMP対応のページが表示される。
「トップニュース」でアクセスできる記事は、素早くコンテンツが表示され、文章を読んでいる最中に画面を調整する必要もないため、快適にスクロールしながら記事の内容に集中することができる。また、記事画面を左右にスワイプするだけで、次の記事に移動することが可能になる。AMPのテクノロジーを利用しているウェブページは、従来に比べ平均4倍の速度で表示され、データ量も約1/10に抑えられるため、ほとんどのページが瞬時に表示される。
日本ではこれまで、朝日新聞、映画.com、zakzak、THE PAGE、産経ニュース、SankeiBiz、SANSPO.COM、シネマトゥディ、日刊スポーツ、BLOGOS、毎日新聞、マイナビニュース、レスポンスの13 のウェブサイトがAMPに対応している。