アドビが、「Adobe Journey Optimizer(AJO)B2B Edition」の提供開始を発表した。企業間取引を行う企業は、生成AIを活用して顧客エンゲージメントを精緻化し、収益性の高い成長につなげられるようになる。AJO B2B Editionの主な機能は、次のとおり。
購買グループの作成と編成
マーケティング担当者は、自社の製品ポートフォリオに合わせた購買グループを設定できる。デマンドマーケティング担当本部長やIT部門長などの主要人物を追加することも可能。
また、「Adobe Marketo Engage」「Adobe Real-Time Customer Data Platform」との統合により、ウェブサイトの訪問などのインサイトも取得できる。顧客ライフサイクル全体において、これらの購買グループが適格であるとデータでも裏付けられる。
マーケティング担当者は、生成AIを活用して購買グループの役割やメンバーの割り当てに関するレコメンデーションを得られる。加えて、不足しているメンバーのリストを作成し、広告キャンペーンなどを展開することで、ターゲティング活動を支援できる。
パーソナライズされたカスタマージャーニーの設計
購買グループが特定されると、企業は各意思決定者向けに、電子メール、ウェブ、チャット、ウェビナーなどのチャネルを通じて、カスタマイズされたジャーニーを設計できる。これにより、取引の早期完了に向けて質の高いパイプラインが構築される。
生成AIを搭載した会話型インターフェイスである「AEP AI Assistant」は、カスタマージャーニーを設計する際に、ユーザーに操作方法のアドバイスやトラブルシューティングを提供。また、各購買グループの契約更新などのライフサイクルステージを定義し、そのタイミングが来た時点で、リアルタイムのインタラクションを開始する機能も近日中に提供される予定となっている。
パーソナライズされたコンテンツの生成
マーケティング担当者は、生成AIと統合されたアセットライブラリ(「Adobe Firefly」「Adobe Experience Manager Assets」からの画像を含む)を活用して、異なる購買グループに向けてパーソナライズされた電子メールコンテンツを生成できる。
たとえば、マーケティング担当者はドラッグ&ドロップで配置可能なコンポーネント、テンプレート、カスタムHTMLツールを通じ、製品への関心や職務内容にもとづいて、カスタマイズされた電子メールをすばやく作成できる。
なお、アドビは、生成AIソリューションでランディングページやデジタルフォームなどのマーケティングアセットを作成できる機能を近日中に提供する予定。
営業とマーケティングの連携強化
AJO B2B Editionは、営業部門とマーケティング部門の双方が、オンラインとオフラインのあらゆるチャネルで取り組んでいる購買グループへのアプローチを可視化。ワークフローを合理化し、より精緻な顧客エンゲージメントを可能にする。
たとえば、マーケティング部門は、自動アラートを通じて、AIが生成した要約、インサイト、推奨アクションとともに、適格な購買グループの情報を営業部門に提供し、より質の高いパイプラインと案件創出の合理化を支援する。
パフォーマンスの測定と最適化
新しいダッシュボードにより、どの購買グループの購買プロセスが最も効果的であるかを分析し、リソースの最適化を図りながら、マーケティングが収益に与える全体的な影響を分析できる。
また、コンバージョン率が高い購買グループの特定など、AIを活用したインサイトをダッシュボード上で提供する機能も近日中に提供される予定。