ライオンは、社内の知見を有効活用するための「知識伝承のAI化」ツールの自社開発を進め、研究領域での検証を完了したことを発表した。これまでに蓄積された多くの技術的知見や実験データのなかから、求める情報を研究員の誰もが効率的に取得できる環境を整え、新たな価値・習慣の創造につなげていく。
同社は、「スピードと効率を備え、高度化・新価値の創出を実現できる」状態を目指し、DXを推進している。2023年5月には、対話型生成AI「LION AI Chat」を同社グループの国内従業員5,000人に向けて公開するなど、生成AIを活用した業務効率化に取り組んでいる。
「知識伝承のAI化」ツールの開発は、クラウドサービスプロバイダーが提供する生成AIと検索サービスを組み合わせ、社内で進めている。自然な表現の検索文章の入力により、膨大な社内情報のなかにある当該文書を短時間で取得し、生成AIが抽出された文書から中身を分析・評価し、質問に沿った簡潔な表現でまとめた結果を表示する。これにより、効率的に適切な情報にたどり着くことが可能になるという。
ツールの検証においては、文書の取得時間が従来の情報検索と比較して約5分の1に短縮され、生成された文章からも迅速に必要な情報を抽出できることが確認されたとのこと。これらの結果から、業務効率の大幅な向上が期待される。
今後、研究領域での活用を目指し試験運用をする予定とのこと。さらに将来的には、社内全体に対象を広げることで、イノベーションの創出を加速していくとしている。