GMOメイクショップは、2023年11月1日より、香川県坂出市でケーブルテレビや通信事業を展開するKBN、坂出市、坂出商工会議所と連携し、「生成AIによる対話型コマース」を利用した高齢者の買い物支援策の提供に向け、高齢化率の高い坂出市王越町で、実証実験を開始すると発表した。
同実験では、ChatGPTのAPIを搭載した音声対話型のオンラインショッピングシステムを利用し、深刻化する買い物弱者問題の解決に貢献。同システムにより、消費者はタブレット端末に話しかけるだけで、AIがおすすめする日常生活に必要な食材などの商品注文が可能となる。
GMOメイクショップは、EC プラットフォーム「makeshop byGMO」の展開によるECサイトの構築・運営支援を行っており、近年では地方事業者のEC化支援に力を入れている。「makeshop byGMO」のショップ所在地別の流通額データでは、四国四県が他県と比べて流通額が少ないことから、同社は四国のEC化・IT化に課題を感じていた。
そのため、2022年からは、四国のEC化・IT化の底上げを図るべく、百十四銀行や香川銀行、坂出商工会議所などと連携した支援策を推進。また、2023年9月には坂出市と「地域活性化起業人制度による派遣に関する協定」を締結し、GMOメイクショップのメンバーの派遣を開始。市民の生活利便性の向上や、市職員の働き方改革を実現するため、坂出市との連携を強めてきた。
また、昨今、地域の過疎化や高齢化、それによる商店街の衰退などから買い物弱者問題への対策が必要とされている。坂出市においても、2023年の高齢化率は34.9%と全国平均の29.0%(総務省統計局 人口推計 2023年3月1日確定値)より高く、なかでも王越町では、高齢化率61.1%と人口の半数以上が高齢者となり、買い物弱者の問題が深刻化していた(2023年4月時点/坂出市の人口データより)。
GMOメイクショップは、買い物弱者問題の解決に向け、同じく地元の活性化に取り組むKBNとともに「生成AIによる対話型コマース」を利用した高齢者の買い物支援策の検討を開始し、坂出市と坂出商工会議所の協力のもと、サービスの実現に向けた実証実験の実施を決定。2023年10月5日には、4団体による連携協定の締結を行い、同年11月1日より実証実験を開始し、2024年以降のサービス提供を目指して取り組んでいくとしている。
実証実験の概要
王越町の高齢者世帯を対象に、2023年11月から約3ヵ月間、GPT-4を利用した音声対話形式のオンラインショッピングによる実証実験を行う。タブレット端末に話しかけるだけで、AIがおすすめの商品を提示し、日々の生活に必要な食材などの注文が完了。注文情報は専用ECサイトへ連動し、高齢者の自宅へ商品が配送される。
- 実施期間:2023年11月1日~2024年1月の3ヵ月間
- 対象者:坂出市王越町の約350世帯(2023年9月1日時点)より参加者を募集
- 検証内容:高齢者による実機の操作性および高齢者の買い物支援における対話型コマースの有効性
各団体の役割
GMOメイクショップ
- 対話型コマースのシステム開発
- 「makeshop byGMO」の提供による専用ECサイトの構築支援
KBN
- 参加者の募集、タブレット端末や通信環境の提供、操作説明などの参加者サポート
- 商店や配送手段の手配
坂出市
- 実証実験の成果を踏まえ、市の高齢者支援施策への活用検討
坂出商工会議所
- 賛同する企業を募り、地域を挙げた取り組みとするための支援