オンラインマーケットプレイスのUS版メルカリは、メルカリUS 2023年度リユースレポートを発表。さまざまな世帯属性にわたるリセール市場の状況とリセール市場の需要が高まっている要因、そして今後12ヵ月の予測について深く掘り下げた。なお、同調査報告書は、小売業界の分析を行っている第三者企業のGlobalDataの協力により作成された。
同レポートでは、全体的な景気の先行き不透明感にもかかわらず、リセール市場は個人消費がもっとも急増している部門の一つであることが明らかに。半数以上の米国民にとって中古品の購入はライフスタイルの一部となっており、その動機に「節約」や「サステナブルな暮らし」、「ユニークで面白い物を見つけたい」などが挙げられている。
なお、中古品を売買する米国民の増加にともない、リユース市場は2031年までに87%増の3,250億ドルに成長する見込み。消費者がリユースを当たり前のこととして受け入れていることがうかがえる。
メルカリUS 2023年度リユースレポートの概要
中古品販売による副収入は好調だが、さらに収入を増やせる余地あり
中古品を売る主な動機は金銭を得ることだが、それに僅差で続くのが片付けで、現在、米国の家庭には211億個の不要品が眠っていると推定されている。これは金額にして5,598億ドルに相当。1世帯当たり平均161個、合計金額は4,267ドルとなった。
Z世代は来年の支出を増やす計画
Z世代の消費者の31%が、今後12ヵ月間以内にショッピングの予算を増やす考えで、この回答は消費者全体では19%。Z世代はリセールの変革を加速させており、これは中古品にも影響している。Z世代の消費者の3人に1人は中古品の購入と、オンラインのリセールプラットフォームにかける時間を増やそうと考えていることがわかる。
購入しやすい代替品への需要が急上昇
米国民の37%が節約をするためにより安い製品を購入するようになっている。特にZ世代の購入者は、カラフルなタンブラーからお気に入りのスポーツウェアまで、ソーシャルメディアを埋めつくしている低価格のトレンド品を取り入れている。
サステナブルな買い物を選択
若年層は、上の世代に比べて環境への影響を軽減するために売ることを重視している傾向に。また、お金の使い方にも同様の考えが表れている。Z世代とミレニアル世代の消費者のおよそ3分の1(31%)が、今後12ヵ月間にサステナブルなブランドへの支出を増やすことを計画している。
中古品を選ぶことが子育てでは一番のハック
子供服は2022年にもっとも急成長したリセールカテゴリーで、1年間で19%の伸びを記録。今後10年間でキッズウェアのリセールは146%増加すると見積もられている。
男性も倹約家になりつつある
メンズウェアは2022年に2番目に急成長したカテゴリーで、その主な要因は男性の消費者の増加である。実際にこのカテゴリーの男性消費者は女性よりやや多く、これは中古品が受け入れられるようになったことと、スニーカーやコレクション品のようなリセール分野の急拡大に起因していると推察される。
米国民は依然として紙の本を好む
電子書籍リーダーやオーディオブックの人気にもかかわらず、もっとも売れた中古品カテゴリーは紙の書籍という結果に。米国のリセール品消費者の半数以上(58%)が紙の本を購入している。
オンラインショッピングの需要は引き続き堅調
オンラインショッピングはもっとも急成長している中古品の購入ルートで、2031年までに支出の半分以上(56%)を占めると予測。ショッピングモールに集まる購入者は減少しているものの、消費者は依然としてVictoria’s Secret PINKやCoach、Lululemon、Adidasなどのモールで人気の商品のディスカウントを手に入れたいと考えていることが見て取れる。
調査概要
- 調査期間:2023年2月
- 調査対象:18歳以上の米国人
- 回答者数:2,500人