JTBは、訪日外国人観光客に対する日本の食体験の充実およびガストロノミーツーリズムの推進を目的に、訪日外国人向けフードプラットフォーム「byFood.com(バイフードドットコム)」を運営するテーブルクロス(以下、TC社)への出資を決定した。
ガストロノミーツーリズムとは、その土地の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた食を楽しみ、その土地の食文化に触れることを目的としたツーリズムのこと。
JTBはかねてから、次の理由から「食」分野に注目し、各地で実施している訪日誘客ソリューションの提案に取り入れてきた(2019年訪日外国人消費動向調査「日本滞在中の費用別支出項目」より)。
- どの地方にも、その土地ならではの「食文化」が存在する
- 訪日外国人が旅ナカで支出する費用において、飲食費が全体の約22%と、買物代と宿泊費に次ぐ支出額を占める
- 旅ナカのコト消費において「日本食を食べる」がもっとも顧客満足度が高い
- 顧客接点として「食」のポテンシャルが高い
一方TC社は、インフルエンサーマーケティング、日本の食体験のプロモーション動画の作成やレストランの予約、帰国後の越境ECによる日本食の販売など「byFood.com」を通じたさまざまなサービスの提供により、すでに全国の自治体や企業が抱える「誘客」と「コンテンツの磨き上げ」という二つの課題に対するソリューションをワンストップで提供している。TC社との業務提携により、今まで以上に高度な誘客ソリューションの実現、ひいてはガストロノミーツーリズムの推進につながることから、今回の出資に至った。
具体的な取り組み事項
観光立国推進基本計画における観光政策「持続可能な観光」「地方誘客促進」の実現に向けて、「地域ソリューション(地域の課題解決策)」を企画・提供し、地域自治体とも連携しながら、訪日外国人観光客を地方に呼び込む取り組みを強化していく。
具体的には、JTBならではのソリューションを開発し、各自治体や DMO(Destination Management Organization:観光まちづくり法人)に対して、両社の知見を活かした提案を実施。さらに、誘客プロモーションから施策の検証までワンストップで行う仕組みを提供する。