銀行系クレジットカード会社で組織されている日本クレジットカード協会(略称:JCCA)は、クレジットカードの利用実態やICクレジットカードに関する消費者の意識・志向を探るため、クレジットカードを保有する全国の消費者を対象にインターネットで「2022年度 ICクレジットカードに関する消費者意識調査」を実施した。
主な調査結果は、次のとおり。
ICクレジットカードの保有・利用率
ICクレジットカード認知者のうち、ICクレジットカードの保有率は91.9%、利用率は 80.4%だった。ただし、クレジットカードへのIC機能搭載が必須化されていることから、「認知・非保有者(8.1%)」には、プリペイドカード保有者や IC 機能への誤った認識による回答が含まれると推測される。
ICクレジットカードの利用伸長率は、全年代で6.5%増加、男性20代、女性20~30代が10%以上増加し、幅広い年代に浸透しているものの、ICクレジットカードの認知度向上に向けてはさらなる取り組みが必要であることがわかった。
IC クレジットカードタッチ決済の認知・保有・利用率
ICクレジットカード保有者のうち、タッチ決済の認知率は79.8%と高いものの、保有率は54.2%、利用率は30.9%。タッチ決済利用者のうち、タッチ決済のみ使用は8.5%、タッチ決済を中心に使用は37.7%で46.2%はタッチ決済中心の利用であることがわかった。
性・年代別でタッチ決済利用率をみると、男性20代(54.8%)、男性30代(47.9%)で利用率が4割を超えて、男性若年層の利用が高くなっている。
暗証番号の認知度
ICクレジットカード保有者のうち、暗証番号を「しっかり覚えている+何となく覚えている」は89.2%(2019年は86.3%で2.9%増)にのぼる。暗証番号をしっかり覚えている人は、クレジットカードの利用頻度が多く、クレジットカード申込時に暗証番号の必要性を理解していることがうかがえる。
暗証番号利用意向とサイン利用意向
クレジットカード保有者へ暗証番号とサインどちらを利用したいか確認したところ、「暗証番号を使いたい+どちらかといえば暗証番号を使いたい」は63.1%と高く、「サインを使いたい+どちらかといえばサインを使いたい」は9.9%と低いことがわかった。
暗証番号を入力したくないシーンで、暗証番号利用意向者と比較して、サイン利用意向者は「暗証番号を忘れた時」が27.8%という結果となった。ただし、サイン利用意向者の56.8%が、暗証番号の必要性を感じており、安全性が高いことは認識されているといえる。
PINバイパス廃止時の影響
PINバイパス(サインなどにより暗証番号の入力を迂回すること)が無くなった場合に「困る計」は、35.2%。困る理由は「暗証番号」の不認知に関する内容が上位を占める。
困る人の特徴は、44.1%が暗証番号をしっかり覚えておらず、暗証番号決済は暗証番号を「覚えるのが面倒」「入力が面倒」と感じている。ただし、安全性を考えると、暗証番号の入力の必要性を約8割が理解している。
調査概要
- 調査時期:2022年7月14日(木)〜20日(水)
- 調査対象:20歳〜69歳の男女
- 回収サンプル数:2,100サンプル
- 調査実施機関:日本リサーチセンター