メルカリは、2019年の越境販売開始から3年を記念し、これまでの越境販売のデータより「越境メルカリ トレンドランキング2022」を公開した。
2022年8月の経済産業省の調査によると、2019年の世界の越境EC市場規模は7,800億USドルと推計され、2026年には4兆8,200億USドル(年平均成長率約30%)にまで伸長するなど、市場の大幅な拡大が予測されている。(「令和3年度デジタル取引環境整備事業<電子商取引に関する市場調査>」)
メルカリでは2019年から越境販売を開始し、国内だけでなく海外ユーザーを含めた循環型社会の実現を推進している。2020年にはコロナ禍の影響から“日本ロス消費”の傾向が見られたが、2022年においては円安も追い風となり、「メルカリ」における海外利用者数が11月の昨対比で約1.4倍に増加するなど、越境EC領域は堅調に推移。なかでも海外からの“推し活”需要を受け、エンタメ・ホビー関連商品の取引が活発な結果となっている。
取引カテゴリーランキング
順位 | カテゴリー | 商品例 |
---|---|---|
1位 | おもちゃ>キャラクターグッズ | 一番くじ・サンリオ・ちいかわ |
2位 | CD>K-POP/アジア | BTS・ATEEZ・NCT |
3位 | フィギュア>コミック/アニメ | エヴァンゲリオン・ワンピース |
4位 | トレーディングカード>ポケモンカード | ソード&シールド |
5位 | タレントグッズ>アイドル | 乃木坂46・LE SSERAFIM |
6位 | レディース>ショルダーバッグ | シャネル・ルイ ヴィトン |
7位 | メンズ>スニーカー | ナイキ・アディダス |
8位 | トレーディングカード>遊戯王 | プレミアムパック2023 |
9位 | メンズ>腕時計(アナログ) | セイコー・シチズン |
10位 | コミック/アニメグッズ >そのほか | アクリルスタンド・ポストカード |
2022年は、海外からの“推し活”需要としてJ-POP・K-POPのアイドルやアニメ・漫画キャラクターのグッズが人気に。CtoCマーケットプレイスの「メルカリ」が、日本やアジア市場のエンタメを世界へ広げる一助を担っている可能性があるという。
また、2020年にはランク外のバッグやスニーカー、腕時計といったファッションアイテムがTOP10に入っていることから、円安の影響でハイブランド品などの購入が増加したと推察。日本のリユース品が人気を博す理由として、海外購入者からは「商品画像や説明文よりも実物のコンディションがよい」「本物で、クオリティが高い」といった声のほか、「出品者からのメッセージカードが嬉しかった」など、CtoCならではの声も寄せられている。
取引金額の多い国・地域ランキング
順位 | 国・地域名 | 人気カテゴリー |
---|---|---|
1位 | アメリカ合衆国 | K-POP/アジア(CD) |
2位 | 台湾 | キャラクターグッズ |
3位 | 香港 | キャラクターグッズ |
4位 | イギリス | K-POP/アジア(CD) |
5位 | カナダ | キャラクターグッズ |
6位 | シンガポール | キャラクターグッズ |
7位 | 韓国 | キャラクターグッズ |
8位 | オーストラリア | K-POP/アジア(CD) |
9位 | マレーシア | フィギュア |
10位 | ドイツ | ポケモンカードゲーム |
「メルカリ」の商品は幅広い国・地域のユーザーから購入されており、なかでも英語圏においてはアイドルのCDが人気を博していることがわかった。この背景として、日本限定販売のK-POP商品が多いことも挙げられる。また、海外ユーザーには「狙っている商品は、日本のユーザーより先に買いたいので頻繁に検索している」という人もいた。
取引ブランドランキング
順位 | ブランド名 |
---|---|
1位 | シャネル |
2位 | ルイ ヴィトン |
3位 | ナイキ |
4位 | グッチ |
5位 | クリスチャンディオール |
6位 | プラダ |
7位 | エルメス |
8位 | セイコー |
9位 | セリーヌ |
10位 | ヴィヴィアン ウエストウッド |
2022年の傾向として、円安の影響から2020年よりもハイブランド品がランクインする結果に。越境ECの特徴として、ファッションアイテムに関しては比較的使用感のある商品状態であっても取引が成立しやすいという傾向がある。このことから、世界にはリユース品に高い価値を見出すユーザーがいることが判明した。
また、ランキング20位圏内には「アベイシングエイプ」「スノーピーク」「ヒステリックグラマー」「ジーショック」がランクインするなど、日本発のファッションブランドも活発に取引された。
調査概要
- 調査期間:2022年1月1日〜2022年12月20日
- 調査対象:「メルカリ」の代理購入サービスであるBuyee・Bibian・Shopeeを通じた該当期間の取引