カラクリは、EC利用者の困りごとをAIが予測して解決に導くカスタマーサポート部門向けのウェブ接客ツール「KARAKURI hello」の提供を開始した。
従来のウェブ接客ツールのように「売る」ことを目的とせず、EC利用者の「困りごとを解決する」ことを目的にした「寄り添い型接客」で、ECの顧客体験価値の向上に寄与するという。
長引くコロナ禍で多くの業界でECの需要が拡大し、幅広い年齢層のユーザーが利用するようになった。しかし顧客体験価値の向上に苦戦している企業も多く、実際に同社が2021年にEC・金融などのオンラインサービス利用者2,080人に対して実施したアンケート調査では、顧客離れの要因のひとつにウェブ接客ツールによる「ポップアップ広告・クーポンなどのお知らせが多くサイトが見づらい」が挙げられており、CVR向上を促す従来型の手法に対して嫌悪感を抱くユーザーが21.9%いることが明らかになっている。
そこで同社は、EC上の購買体験をより良いものにするため、EC利用時の「手続き」「決済方法」などのつまずきポイントを解消する「寄り添い型」のオンライン接客ツールを開発した。
売らないウェブ接客ツール「KARAKURI hello」サービス概要
「KARAKURI hello」はカスタマーサポート部門向けのウェブ接客ツール。EC利用者の困りごとをAIが予測するので、これまでカスタマーサポート部門が対象としていた「問い合わせをする層」だけではなく、サイレントカスタマー(問い合わせすることなく離脱する層)へのアプローチが可能となる。またAIチャットボットとセットで利用することにより、顧客セグメンテーションやメッセージの最適表示をすべて自動で行うことができる。
自動セグメンテーション機能が搭載
同ツールは、AIが顧客セグメンテーションを自動で実施する。
従来のウェブ接客ツールでは、類似したニーズや性質を読み解き、手動で顧客をグループ分けする必要性や、複数パターンのセグメントが必要となる場合があり、行動変数や心理的変数などを組み合わせ、最適解を出すのに多大な時間を要していた。
同ツールでは、機械学習を用いて「行動ログ」と「質問傾向」から、EC利用者が特定条件(購入・離脱・特定のコミュニケーションなど)を満たすかどうかを判定する。同機能により、ウェブ接客ツールの運用負担を大幅に削減する。
問い合わせをしない顧客(サイレントカスタマー)へのアプローチが可能
同ツールでは、これまでマーケティング部門もカスタマーサポート部門も見逃していた「サイレントカスタマー」へのアプローチが可能。ECサイトやネット証券などのオンラインサービス利用時に、「ログインできない」など疑問・不満を抱いたユーザーを予測し、最適なメッセージを表示する。EC利用者の利便性を高めることで、LTV向上に寄与する。