インターネット向け経済インフラのプラットフォームを構築するStripeは、日本発の新機能である「コンビニ決済」の提供を開始することを発表した。これにより、スタートアップから大企業まであらゆる規模の国内企業が、同社がグローバルに展開する決済インフラを活用し、単一のStripe APIを通じてクレジットカードやデビットカードに加え、コンビニ決済を取り扱うことができるようになった。
コンビニ決済は、約20兆円といわれる日本のB2C(消費者向け)オンライン市場において、一般消費者の間ではクレジットカード決済に続いて2番目に利用率が高い決済方法である。あらゆるB2Cのビジネスモデルで活用されるものの、特にEC企業の物販や各種チケット販売における利用が多く、Stripeのユーザー企業からも導入の要望が多くあった。
導入手続きの簡略化
同社は、コンビニ決済の提供開始にともなう煩雑な事務処理からユーザー企業の皆様を解放すべく、素早くシームレスな導入を実現した。
- 新規あるいは既存のStripeユーザーの場合でも、一般的なコンビニ決済機能に比べて約10分の1の開発時間で統合できる。
- 今までコンビニ決済開始に必要な審査と事務処理で約10週間かかっていた工程が、Stripeでは最短2週間で可能となる。
従来のコンビニ決済との違い
ユーザー企業が抱える課題を解決する同社の開発技術を盛り込んだユーザビリティを実現する。
最新支払い手順情報を自動共有
自動的にアップデートされる各コンビニチェーンの正確かつ最新の支払手順情報を、見やすさを重視したデザインのウェブやメールで購入者に共有することができる。
カスタマイズされたリマインダーでコンバージョン率を向上
カスタマイズされたリマインダー通知で消費者の支払い行動を促進して、支払い率が低くなりがちなコンビニ決済のコンバージョン率を向上させることができる。
返金時のエラーを軽減
プログラムによる完全照合可能な返金を提供することで、手動によるエラーを減らし、顧客への返金を行うユーザー企業の効率性を高める。
入金の即時確認
通常のコンビニ決済では2時間程度の遅延を余儀なくされる店頭での顧客による支払い完了を即座に確認することができる。
購入時にコンビニチェーンを確定する必要なし
消費者の利便性を重視し、通りがかりのコンビニでもすぐ支払えるよう、チェックアウト時のコンビニチェーンの事前選択を無くし、どの対応チェーンでも支払い可能にした。
Stripeソリューションとの連携
多岐にわたる決済ソリューションを提供するStripeのコンビニ決済ならではの利点は、次のとおり。
- マーケットプレイスやシェアリングエコノミー、プラットフォーム型のビジネスに向けた最適な決済を提供するStripe Connectや、サブスクリプションなど定期課金を要するビジネスモデルの自動化・最適化を支援するStripe Billingなどの既存ソリューションとともに、さまざまなビジネスモデルをサポートし、コンビニ決済を可能に。
- Payment Links(リンクを共有するだけで決済を可能にするノーコードサービス)ならびにStripe Invoicing(請求プラットフォーム)を導入していれば、開発を必要とせずにコンビニ決済の取り扱いを開始できる。
- 翌月末払いや翌々月末払いが一般的な入金サイクルとされるなか、4営業日後にコンビニ側から売り上げ分の入金ができる迅速かつ統一された資金フローが可能。
- StripeのStripe Checkout(構築済み決済ページ)、Payment Element(事前構築されたUIコンポーネント)や最新のPayment Intents API(支払いインテント)を利用してカスタマイズされたユーザー体験を実現することができる。
日本で開発した新機能
コンビニ決済の提供は、同社の日本市場に対する継続的な投資の一部である。この決済手段は、日本に拠点を置く同社のプロダクトチームとエンジニアリングチームによって開発され、日本の企業や消費者のニーズに合わせて完全にカスタマイズされている。同社が日本で提供する一連のソリューションには、収益の管理と照合や詐欺対策、定期支払いの受け入れ、税金徴収の簡素化などがあり、日本の開発チームがサポートして日本市場のニーズに沿ったプロダクトを提供している。