KDDI、徳島バス、アクアビットスパイラルズは、日本で初めて高精度GNSS測位によりバスの位置情報から運賃を自動計算し、近距離無線通信(NFC)プレートへスマートフォンをかざして区間精算を行う実証実験を開始する。
徳島県鳴門市の鳴門公園を中心とした観光エリアで提供する「くるくるなるとデジタル周遊チケット」の取り組みにおける「バス スマホタッチ支払い」サービスで実施。事前にクレジットカードを登録、NFCプレートにスマートフォンをかざす、もしくはQRコードを読み込むだけで、バス乗車区間を判定し、運賃の自動計算とバス運賃の支払いが可能になる。
徳島県内の距離区間制を採用するバスでは、整理券方式による支払いは現金および回数券となっている。バス事業者が交通系ICカードによる運賃支払いに対応するためには、初期導入や維持コストが多く発生。 また、外国人観光客は整理券方式による運賃支払いに馴染めないことからもアフターコロナを見据えたキャッシュレス化は喫緊の課題となっていた。
実証実験の詳細
高精度GNSS測位により取得したバスの位置情報と、バスの乗降車時、車内に設置されているNFCプレートにユーザーがスマートフォンをかざした情報を組み合わせ、乗降車したバス停をクラウド上で判定することで、バス運賃の自動計算およびクレジットカードでのキャッシュレス決済サービスを実現する。
- 徳島バスの鳴門郵便局前バス停から鳴門公園バス停までの区間を走るすべてのバスに高精度位置測位を行うアンテナを設置し、KDDIとジェノバが提供する誤差数センチメートルのリアルタイム測位が可能な高精度GNSS測位情報配信サービスを活用して、バスの正確な位置情報を把握する。
- ユーザーがバスの乗降時に、バス車内に設置したNFCプレートにスマートフォンをかざすで、クラウドシステム上にて 「1」で測定したバスの位置情報と連携し、乗車バス停、降車バス停を推定する。
- 乗降車したバス停情報から区間運賃を計算し、登録されたクレジットカードから運賃の引き落としを実施する。
- クラウドサービスを活用したシステムのため、初期導入や維持にかかるコストの低減が可能となる。
- Felicaを搭載しないスマートフォンユーザーや交通系ICカードを持たないユーザーも、事前にクレジットカードを登録し、バス車内でスマートフォンをかざすとバス運賃の決済が可能になる。
実証実験は、2021年10月15日から2022年1月31日まで、徳島県鳴門市 徳島バスの鳴門公園線、鳴門線、鳴門藍住線の鳴門郵便局前バス停から鳴門公園バス停までの区間で実施する。