オンライン接客で広がる可能性 導入・運用時の注意点を学ぼう
最後に中嶋氏は「失敗しないオンライン接客の始めかた」について、導入・運用時のポイントと空色のサポート内容を6つにまとめて解説した。
1. KPI設計
導入にあたり重要なKPI設計。空色では、企業・ブランドごとに最適なKPIのフレームワーク、カスタマイズを提供している。観測・評価結果は月次で報告するとともに、アクションプランの提案・実施も担うことで、継続的なサポートを行う。
2. AIチャットボットの構築
AIチャットボットの運用にあたっては、AIにどのような会話を学習させるか、どのように改善していくかが鍵を握る。空色は、これまでさまざまな業界・企業との取り組みの中で蓄積してきた接客ログデータを提供し、チャットボットを新規導入する際のハードルを軽減している。すでに導入している場合も、顧客情報・商品情報・在庫情報の3つをAPI連携することでサービス提供範囲を拡大できるため、さらなるOMOの進化とLTV向上を目指すことが可能だ。
3. チャットセンターの構築・運用
オンライン接客未経験のスタッフに向けた教育も、顧客体験向上には欠かせない。空色では、チャットセンター構築・運用のためのフレームワークを用意し、企業ごとの要件定義から導入、その後の運用に至るまでトータルでサポートしている。
4. ログデータの活用
チャットボット導入のメリットとして、貴重な顧客の生の声をログデータとして蓄積できる点が挙げられる。ログデータはオンライン接客の改善に限らず、商品・サービスの新規開発や改善など幅広く活用が可能だ。空色では解析結果をレポートにまとめ、導入企業に提供している。
ログデータ活用事例として、中嶋氏はアパレルブランド「ナノ・ユニバース」の事例を紹介した。チャット接客を利用した顧客から寄せられた質問内容を踏まえ、自社ECサイトの商品詳細ページに、より詳細な、たとえば生地の透け感などが伝わる画像を追加。商品情報を充実させることで返品や問い合わせ数の削減に成功し、購入率アップにもつながっていると言う。このほかにも、「SEO対策などログデータ活用による成功事例は多岐にわたる」と中嶋氏は続ける。
5. コミュニケーションジャーニーの設計
顧客のエンゲージメントを高める上で、重要になるコミュニケーションジャーニーの設計。空色は経験と知見を活かし、チャネルごとの特徴をとらえた上で業界や企業に合わせたサポートを実施している。
6. LTV向上のための改善KPI設定
ここで中嶋氏は、空色が支援する企業の実績を基に、LTV向上に向けた改善KPIを提示した。同社のデータによると、チャット利用者の購買単価および購入率は最大30%向上。そのうちの約4割が実店舗へ来店して購入に至っており、OMOの成果が数字にも表れている。また、利用者のうち最大30%がリピート利用につながっており、オンライン接客がLTV向上に貢献していることもうかがえる。中嶋氏は、「ログデータの解析で得た貴重なインサイトを活用することで、さらに成果を上げ続けることができる」と語る。
オンライン接客を通したLTV向上に向けて、さまざまな側面からサポートを行う空色。中嶋氏は「当社は長期的な関係構築を目指すべく、ツール面・運用面で特徴あるサービスを提供していますので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください」と述べ、セッションを締めくくった。