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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzine Day 2021 Winter レポート(AD)

実店舗とECをつなぐチャット接客 失敗しない始めかたと売上・LTV向上につながる体験強化を考えよう

オンライン接客に取り組む前に踏まえるべきポイントは?

 中嶋氏は、次にオンライン接客が広がる背景と踏まえるべきポイントについて解説を行った。大きく次の3つに分けることができると言う。

1. 自社ECならではの優位性を考える

 多くの企業がECに注力する中、もちろん新規出店も急増しているのが実情だ。大手ECサイトやモールなど、強力なプレイヤーと差別化を図るには、自社ならではの優位性が必要となる。

 そこで中嶋氏が勧めるのは、実店舗を活かしたOMOの推進だ。顧客情報をオンラインとオフラインで統合して管理することは、オンライン接客を導入する上でも非常に重要な要素となる。しかし、顧客の把握は今や多くの企業・ブランドが進めている状況だ。差別化を進めるには、オリジナルの体験価値提供が必要となる。中嶋氏は、「なんとなく欲しいと思っているものを、しっかり欲しいと思える体験設計が求められる」と指摘する。

 大手ECサイトやモールでは、商品の認知から購入するまでの過程を最短距離で設計し、顧客が欲しい商品をスピーディーに手に入れるための最適化を行っている。

「こうしたECサイトと異なる価値を提供するには、『商品を知る』ところから、商品の存在を『気になる』と感じ、『欲しい』と思って『購入する』までの顧客の心理と行動を分析する必要があります。中でも、商品を知るところから欲しいという気持ちに至るまでの過程の強化が重要です」(中嶋氏)

 商品に対する興味を喚起する過程は、本来実店舗が得意とする領域であり、大手ECサイトやモールではまだ提供できていない価値だ。オンライン接客のソリューションは、これらをECで提供すべく広がりつつあると言える。

2. 実店舗企業の強みである接客をECに展開する

 ECと実店舗の効果測定を行うと、購入率・リピート率・顧客単価のいずれも実店舗に優位性がある。その理由は実店舗の接客力にあり、オンライン接客でも同等のサービスを提供することが売上拡大の近道と言えよう。

 中嶋氏は、接客を通じて購買意欲を喚起し、購入に至るプロセスを楽しむことができる顧客体験を「店舗型CX」と呼び、利便性・効率性・コストパフォーマンスを追求する「EC型CX」と区別する。EC型CXでは、より良い条件のECサイトが出現すればすぐに乗り換えられてしまうが、店舗型CXではファンと呼ばれる顧客を増やすことでLTVや購買単価の向上にもプラスの効果をもたらす。

「店舗型CXを追求し、コミュニケーションを通じて顧客にファンになってもらう。ファンが離れないような体験を実店舗とEC双方で提供する。それが当社からの提案です」(中嶋氏)

 中嶋氏は、チャット接客によって購買行動が起きる理由を、より具体的に解説する。たとえば、「黒いジャケットがほしい」と漠然と考える顧客がいた場合、多くの選択肢を与えても、欲しい商品を決めることができず離脱してしまったり、安価なもの、高割引率の商品を手に取ったりと、顧客にとって最適な商品へ導くことは難しい。ここでチャット接客が真価を発揮する。

「チャット接客を導入していれば、ヒアリングをしながら漠然とした顧客のニーズを顕在化することが可能です。これがECサイト上に接客サービスを導入する利点となります」(中嶋氏)

3. 複数のタッチポイントを統合して管理する

 顧客とのタッチポイントが増加する現代においては、各チャネルを統合的に管理し、オンラインコミュニケーションにつなげることが重要だ。WhatYaにおいては、すべてのタッチポイントの一次対応をAIチャットボットが担い、会話の内容に応じて実店舗スタッフやカスタマーサポートなどの担当チームへと割り振っている。

「チャットボットと人が担う価値をそれぞれ切り分けながら体験設計を行うことで、コールセンターの負荷軽減や生産性向上につながります。タッチポイントの統合が困難な場合でも、まずは体験の全体設計を行い、ステップバイステップで広げていただければと思います。こうしたバリューを高める体験構築も、当社では支援しています」(中嶋氏)

次のページ
実例から学ぶ 実店舗スタッフのオンライン移行をスムーズにする方法

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この記事の著者

松岡 亜希(マツオカ アキ)

フリーランスのライター&エディター。出版社勤務を経て独立。雑誌、書籍、Webサイト、企業広報などさまざまな分野で活動中。● http://pubapart.com/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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