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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

Shopify×定期通販の可能性を考える

Shopifyで日本式定期通販はできない? 結果を出すための思考法とブランド作りに必要なこと

 全世界で100万ショップ以上が活用し、注目を集めるShopify。カナダ生まれの同ツールを日本の商慣習に適応させるために、自ら新たなサービスを開発したのはD2Cヘアケアブランド「YOU TOKYO」を展開するフロアスタンダード。この連載では、同社がShopify専用の定期通販システム「Mikawaya」開発を通して得たShopifyで定期通販を行うノウハウや、今後の定期通販業界についてお伝えします。第1回は「Shopifyとの出会いと定期通販導入時に生じた課題」についてです。

Shopifyで定期通販 開始当初に立ちはだかる課題点

ECzine読者の皆様、はじめまして。「YOU TOKYO」というヘアケアブランドでEC事業を展開しています株式会社フロアスタンダード 代表の高松です。当社は広告代理業からスタートし、2018年の終わりからヘアケアブランドを立ち上げました。現在はShopifyでECサイト運営をするとともに、当社が自社開発したShopify専用の定期通販システム「Mikawaya」を利用し、現在定期通販で売上を好調に伸ばしております。

 Shopifyで定期通販を開始するにあたり、当初はShopify既存の定期通販アプリの活用も検討したのですが、同アプリは「日本の商慣習に適合してない」という高い壁がありました。課題点を具体的に挙げると、下記のとおりです。

  • 管理画面が日本語に対応してない
    →海外の定期通販アプリは日本語に対応しておらず、設定が難しい
  • お客様の入力フォームが海外の仕様になっている
    →姓名の入力フォームが逆であることに加え、住所に郵便番号の概念がなく、お客様がスムーズに住所を入力できない
  • 決済の選択肢の幅が狭い
    →現金文化が残る日本で、クレジットカードでしか決済ができない
  • LPを制作してもダイレクトリンクが作れない
    →定期通販用のLPからカート画面に飛ばしても、都度購入・定期購入の選択肢が表示されてしまい、定期購入を選択されない可能性がある
  • 倉庫との連携が必須になる初回と2回目以降に届く商品が違う、といった定期便のテクニカルな設定ができない
    →LTV向上のためのCRM戦略の自由度が低い
Shopify専用の定期通販システム「Mikawaya」ではサンクスページでのHTML編集機能を実装。
アップセル、クロスセルなどのCRM施策の自由度を広げた設計になっています。

 これらは、商品購入に至るまでのお客様の離脱につながる重大な問題でした。ここをまず解消しなければShopifyで日本特有の定期通販の商慣習の仕組みを作り、売上を向上させることは難しい。そう感じ、長年単品定期通販のマーケティングをしてきた私とEC事業で100億円規模の売上を作ってきた当社の事業責任者の監修で、新たな定期通販システム Mikawayaの制作に取り組みました。

 当記事では、定期通販業界の動向や当社がShopifyを導入した理由、定期通販システム Mikawayaを開発した経緯やEFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)をメインとしたソリューション、Shopifyで定期通販を開始してからの実績についてお伝えしてまいります。次回以降は、Shopify×定期通販におけるロジスティクス、決済・CRMの運用、業種別の活用方法、モールとの連携などについて言及する予定です。これからShopifyでECサイトを制作しようと検討されている方や、Shopifyで定期通販の開始を検討されている方の参考になればと思います。

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この記事の著者

株式会社フロアスタンダード 代表取締役 高松悠(タカマツユウ)

 ふとしたきっかけで購入したアフィリエイトの情報商材を基に、四畳一間の部屋から個人でアフィリエイトを開始。その後、健康食品・美容ジャンルの商品ジャンルで実績を継続的に出し続け、2016年11月に株式会社フロアスタンダードを設立。長年ダイレクトレスポンスマーケティングで実績を残し続けてきた独自戦略でブランド作...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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