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これからのアパレルECで活用すべきは店舗リソース アフターコロナに飽和するECで勝ち抜く秘訣とは

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自粛期間中に消えた売上はどこに? 顧客が買い物をしなかった理由を考えよう

 まずは、アパレル業界にいる顧客が自粛期間中に買い物をしなかった理由について考えてみましょう。主にふたつあると考えられます。

1. 僕らが思っている以上に顧客は何でもいい

 自粛期間中に、自主的にECに来て購入してくれる人が思ったよりも増えなかった。これはつまり、僕らが思っている以上に、指名買いを頻繁にするほど「このブランドじゃないとダメ!」と思っている顧客は少ないということの表れとも言えるのではないでしょうか。

 たとえば、Tシャツを買いたいと思っている場合、「絶対にこのブランドのTシャツを買うんだ」と考えて実店舗を訪れ、買い物をする人はどれぐらいいるでしょうか。恐らく、休みの日などにアパレルブランドが多数入居する商業施設をブラブラしながら、「これいいな」と直感で決める顧客が大半を占めているのが現実です。

 そうした人々が自粛期間中に「どうしても今着るTシャツが欲しい」と思い、ECサイトで購入をしようとしても、自社ECへアクセスすることは稀で、ZOZOTOWNなどのECモールにたどり着くことがほとんどでしょう。そして、ECでの買い物に慣れていない人々は、回遊しても商品数が多すぎて選びきれず、離脱してしまう。そんな事態が起きているのが現状と言えます。何でもいいからこそ、選びきれない。直感が働く決め手となる情報がデジタルから得られていない。そういったことが原因と考えられます。

2. ECで商品の魅力が十分に伝わらない

 アパレル商品のほとんどは、店頭に並ぶことを前提として作られています。MD計画を立て、商品をグルーピングし、それらが店舗の什器に並べられ、レイアウトされることを前提に、つまりは「実店舗ありき」で企画が進んでいるのです。アパレル商品は他の商品と一緒に陳列し、コーディネートしたレイアウトで商品が一番引き立つように企画されています。つまり、カタログ的UI(単品訴求)を主軸とした今のECサイトの見せかただと、商品が完成品として成立せず、本来見せられるはずの魅力が下がってしまうのです。

 実店舗に訪れてアパレル商品を買う顧客の多くは、コーディネートを見て商品を手に取ります。顧客のほとんどは、商品単品と自身が着用するイメージを膨らませにくく、下手すればどれも同じ商品に見えると感じてしまうのです。

 実際問題、アパレル商品は単品での差別化は非常に難しく、コーディネート提案で差別化しているブランドがほとんど。よほどのブランドロイヤリティがない限り、実店舗の商品訴求力に勝てるものは現状ほぼ存在しません。先述したECモールにたどり着いた顧客が離脱してしまう問題も、上記の理由が起因していると考えられます。


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