「ブランディングで世界を豊かに」 自身の役割は情熱を育て、支えること
(写真右)株式会社フラクタ 代表取締役/Shopify 日本公式エバンジェリスト 河野貴伸さん
1982年生まれ。東京の下町生まれ、下町育ち。2000年からフリーのウェブデザイナーとして活動。美容室やアパレルを専門にウェブデザイン、ロゴ、パンフレットなどの制作を手がける。2003年にオープンソースを活用したウェブサービスの受託開発を開始。「日本のブランド価値の総量を増やす」をミッションに、ブランドビジネス全体への支援活動及びコマース業界全体の発展とShopifyの普及をメインに、全国でセミナー及び執筆活動中。
金子(ヤプリ) まずは、フラクタについて教えてください。
河野(フラクタ) フラクタはブランディングの会社です。僕たちは「ブランディングで世界を豊かに」、そして「日本のブランドの価値の総量を上げること」をミッションに掲げています。
まず、ブランドと聞くと歴史あるラグジュアリーブランドを思い浮かべる方が多いかと思いますが、本来は全ての企業がブランドになりうると考えています。どんなビジネスを展開していても、対象となるお客様がいて、その人たちが喜んでくれたり、好きになってくれたりするコミュニケーションを心がけているはずです。
今までの日本は、良いものを作ったら誰かが買ってくれる時代で発展してきました。今は、「自分たちは何者なのか」「どういう人たちに喜んでもらうのか」「ずっと好きでいてもらうためには、共感を得るためにはどうしたら良いのか」を考えるところに来ています。日本には、まだまだ素晴らしいブランドの可能性を持っていらっしゃる会社が多数存在していて、僕たちはその魅力を引き出すお手伝いができればと思っています。
金子 起業のきっかけを教えてください。
河野 高校時代からエンターテインメントが好きで、デザイン、音楽、ファッションやゲームなど、人を喜ばせるビジネス全般が好きでした。学生のときにバンドをやっていて、ポスターやCDのジャケット、PVなども手作りしていました。その頃、ちょうどウェブデザインもするようになって、それが今の仕事につながっています。
起業のきっかけは、偶然海外のブランドから「日本でECを始めたいが、デザインのレギュレーション上、ECモールには出店したくない」という相談を受けて、国内向けのECをオープンソースベースで立ち上げたことです。こういうニーズもあるんだ、おもしろいなと思って始めました。
金子 自分でものを売ろうとは思わなかったのですか?
河野 過去、何度かチャレンジしたこともありますが、現在は裏方に徹しています。やってみてわかったことは「ものを売る」ということは本当に難しく、そして情熱が必要だということ。故に、自分たちはその情熱をそばで一緒に育て、支えていくほうが目指すべき景色に近いと感じたのです。
今の仕事もしっかりと現場に入って、クライアントと一緒に考えることを多く行います。定例の会議に出たり、数字も一緒になって見たりしますので、同じ気持ちでやっていますね。