決算好調のFacebook ファミリー連携でデータの価値向上へ
2月4日に15周年を迎えたFacebook。2018年は個人情報流出やユーザー数の伸び悩みなど課題が多い年だったが、1月30日に発表された通期の決算は好調。株価にも良い影響を及ぼしている。
「ここしばらくユーザー数に関して、新興国では伸びているものの先進国で減少していたため、世界的には減少傾向にありました。しかし今回の決算の際に発表されたデータによると、主に欧州での下げ止まりにより、世界的には微増となりました。GDPRの施行などもあり、Facebookの個人情報の取扱いに対して厳しい目が向けられていたのですが、第3四半期に行った対策がある程度評価されたのではと考えられます。そして、先進国は1ユーザーあたりの売上への貢献度が大きいので、結果的に広告収入が増え、好決算につながっています」
さらに、ユーザーの定着率に関して、2人に1人が毎日ログインしている計算になるデータも公開。Facebook離れへの懸念を払拭した形だ。
決算の際に発表された今後の方針の中で、EC事業者に影響が大きいものとして藤田さんが選んでくれたのは、「Facebookファミリーの連携強化」である。
「Facebook、Instagram、WhatsApp、FacebookMessengerの4つのアプリのメッセージング機能の連携を強化していくとのことです。写真や動画、若者向けのチャットなど特徴あるサービスとの連携を強化することで、Facebookが持つデータの価値を高める戦略なのでしょう」
このようにポジティブなトピックスとさらなる工夫の姿勢は見られるが、以前と比較すると、企業のFacebookへの積極性は下がりつつある。
「Facebookが重要なツールであると考えている人たちは残っており、今でもFacebookページの情報に反応してくれるユーザーは、その企業と濃いつながりを持っている人たちだと言えます。ライバルが少なくなり、エンゲージメントが高いわけですから、少額でも広告費をかけることでアプローチが刺さりやすい環境になっていると思います。さらに新興国では、Facebook=インターネットというポジションになっている場合も。越境ECを考える企業にとっても、Facebookはいまだ重要なプラットフォームだと言えます」