安心感の醸成は、CVRに大きな影響を与える
ECも世間一般に浸透してきており(注:浸透しており、とは思っていませんので念のため。いまだ発展途上だと思います)、昨今では安心感の醸成についてはあまり大きなテーマとして語られることはなくなっていますが、今もなおCVRに大きな影響と与える要素のひとつです。
特定商取引法に基づく表示はもとより、返品規定や送料と納期の目安、営業時間や休日の記載あるいは受注時の自動返信メールなども「あれ?電話に出ない/返信がない」などの不安の発生を「事前に解消」しておくコンテンツと言えます。古物商など各種免許/登録番号などの記載は「売り手として十分な資格がある」という安心訴求そのものですし、SSLやトラストeなどセキュリティや個人情報保護関連の訴求も同様です。また店長や社長の「ご挨拶やプロフィール」なども売り手の人柄やポリシーなどを伝えることによって、安心感の醸成を図るのが目的です。ちなみに生産や収穫までなど様々な工程の開示も、この安心感醸成のためのコンテンツなのではないでしょうか。
ECサイトを構成するコンテンツの中で、どれだけ多くの項目がこれに該当しているかと考えていただければと思います。初めて来訪したユーザーがそのまま1stセッション内でお買い上げいただいた場合、最後の最後に会社案内のページを見るケースを多く見受けますが、ユーザーはそこで何をしようとしているのでしょうか。
商品と価格、あるいは送料や返品規定などの「すべてに納得した後」に念のため確認=安心を求めているのではないでしょうか。カゴ落ちあるいは「カゴに入れる直前」に離脱する原因は、決済手段や入力ユーザビリティの不備だけではないことをお忘れなく。安心感醸成コンテンツの大切さを再認識していただければと思います。
以上の基本的なこと以外に、実は安心感の醸成の面において多くのECサイトで放置されていることがあります。「違和感の排除=安心感」これが大きくCVRに影響します。
違和感の例1.レイアウト整然性の欠如
「違和感」についてはたいへん多くの項目があり、すべてを列挙することはできませんが、まずはわかりやすい例から。リンク切れやバナーの列がずれているなど「レイアウトの整然性の欠如」は当然違和感発生の原因になりえます。
基本中の基本ではありながら、最近のたいへん多様化した閲覧デバイスとブラウザのすべての組み合わせをチェックすることは難しく、実際の現場においてはワードプレスを使っているから大丈夫、信頼できる業者にサイトを作ってもらったから大丈夫という感じの空気が支配的のような気がしています。
しかしながら、ごく最近の筆者のクライアントにおいても昨年同月対の大幅減の原因がこれであった事例もあり、一定規模のECサイトであれば、健康診断のつもりで定期的に専門業者にブラウジングチェックを頼んでみるのもひとつの方法かもしれません。