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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

インバウンドビジネス最前線

キーワードは“Inclusive” インバウンドの老舗・エクスポート・ジャパン高岡さんに聞く


 約18年前、インバウンドという言葉が一般的に知られていない頃、エクスポートジャパン株式会社は、ITを駆使し、世界へ“日本の情報を発信”するビジネスをスタートさせた。現在、月間ユニークユーザー180万人、世界200か国以上からアクセスされているjapan-guide.comの総代理店でもあり、ほかにも政府機関、公共交通機関、企業などの多言語サイト制作、海外向けウェブプロモーションなどのサービスを業界を牽引する企業として展開している高岡謙二代表取締役に、20年近くに及ぶビジネスを振り返りつつも、未来のビジョンを語ってもらった。

インバウンドビジネス20年を振り返る エクスポート・ジャパン 高岡さんに聞く

エクスポート・ジャパン株式会社 代表取締役/CEO 高岡謙二さん

――今や外国人客をターゲットにインバウンド業界に新規参入してくる企業が続々とあります。中でもITを使ってのインバウンドサービスを提供する企業も非常に多い。こんな現状をインバウンドの黎明期を知る高岡社長はどうみていますか。

正直、これ以上にライバルが増えてほしくないなというのが本音です(笑)。ただ、今は非常に可能性のある状況です。その理由は、サービスを提供する企業同士が連携することによって、顧客満足度を上げることができるからです。

具体的に説明しますと、以前は海外に物を売りたいというクライアントがいても、外国語ウェブサイトは持ってない、海外発行のクレジットカードを決済できるプラットフォームもない、まして海外向けに安価で広告できる手段(アドワーズもFacebookも)ありませんでした。じゃあどうするかというと、全部、自分達で開発、開拓しなければいけなかったんです。それをすべてクリアし、ようやくクライアントは満足してくれるわけです。ただそれでは膨大な手間がかかってしまい、コストパフォーマンスが悪すぎる。

それに比べて今はどうですか? 海外用ECサイトはもちろん、決済機能、チャット機能、検索エンジン広告など、各社のサービスを連携させることで、コストパフォーマンスよくサービスを提供できる。だからこそ自分達の特徴なり、ポジショニングをしっかり固めることが大事。この分野は絶対に負けないというという分野を作るといいかと思います。それがブレない企業は成功するんじゃないでしょうか。

――今や活況なインバウンドビジネスも、実は18年前はほぼ未開拓市場。外国人をターゲットにしたビジネスは一般的ではなかった。なぜそんな時代に日本の海外情報発信ビジネスを始めたのですか。

少し私の経歴をお話させていただくと、元々、1995年から1999年に大阪にあるタイ領事館の商務部という所に勤務していました。日本で言うと、JETROのカウンターパートにあたる機関です。当時のタイは繊維関係の輸出を増やしたいということで、繊維貿易の中心でもある大阪にそういう窓口を設けていたんです。その時私がやっていた業務が、日本の企業にアンケートをとって、タイのどんな製品がほしいかを調査し、それに該当するタイ企業を分厚い冊子から探してコピーするなど、かなりアナログなビジネスマッチングでした。

1999年頃になってインターネットの世界が広がり始め、“俺のやっている仕事は将来的にネットに置き換わるはず”と思ったんです。それで、日本国内で海外向けのBtoBマッチングサイトを始めたんです。これはもう単純なサイトで「中古車」「建設機械」「民芸品」「介護用品」などとにかく依頼を受けたものは何でも掲載しました。ただ全く相手にされませんでした(笑)。

――当時の一般企業のITリテラシーというものは、ほぼゼロに近いはず。「海外にウェブサイトを使って商品を売る」なんて夢の世界に思えたお客様も多かったのでは。

当初は本当に苦労しました。築35年の光がうっすらしか差さない雑居ビルの1室で、黙々と数人で作業をしていました。そんな中で東大阪エリアの企業様ともいろいろ話ができるようになって、このエリアの製造業をまとめた外国語サイトを作り、海外企業とマッチングさせたいというお話を大阪府さんからいただきました。それで少し光が見えてきました。そのサイトをオープンさせた時(2003年)は、当時、まだ一般的でなかったSEO対策も行っていたので、世界各国の企業から引合いが届くようになりました。その時は、正直、本当に驚きました。

そんな時、日本では先駆けではあると思いますが、レコード針を製造している会社様から依頼があり、海外向けにレコード針を販売するためのECサイト制作に初めてチャレンジしました。 このECサイトは、現在でも運営していて、世界各国のアナログレコード愛好者から高い評価をいただいていますが、それは、そのメーカーが製造する「レコード針」の品質が優れていること、製品が小型(配送費が少なくて済む)、種類が膨大などの要因があったからではないでしょうか。

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この記事の著者

浦澤 修(ウラサワ オサム)

ライター・編集/株式会社オージャパン 代表取締役 浦澤修

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/5702 2022/01/14 16:13

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