プロの花屋による“手づくり・手渡し”が最大の強み
1953年に日本で初めての生花通信配達システムをスタートさせたJFTD(当初は任意団体、現・一般社団法人)を母体とする花キューピット株式会社。約4,000店舗の加盟店ネットワークをもち、日本全国に新鮮な花をスピーディーに届けるサービスが広く支持されている。その代表的な注文チャネルが、ECサイトの「インターネット花キューピット」だ。
「Webで注文を受けて、弊社のカスタマーセンターからお届け先にいちばん近い加盟店に電話で手配し、その花屋さんが指定の場所まで直接お届けしています。この配達システムが、花キューピットの最大の強みです」
そう語るのは、同社ウェブストラテジー事業部長の大橋俊彦さん。宅配便などを使わず、プロの花屋による“手づくり・手渡し”を徹底しているので、輸送中の劣化・破損などのリスクも最小限に抑えられ、常に最適な状態で花を届けられるのだという。
母の日に贈る花を楽しみながら選べるコンテンツが好評!
今回、インターネット花キューピットの取材を行ったのは、花き業界にとって最大の繁忙期である「母の日」を目前に控えた4月中旬。当然、サイトでは大々的に母の日特集を展開中で、その中ではウェブ接客ツールの「KARTE(カルテ)」を活用した施策も行われていた。
2017年から始めたというその施策について、同事業部の酒井誠人さんが説明する。
「母の日に贈るお花選びに悩んでいるお客様のためのナビゲーションサービスです。KARTEの機能を使い、二択の質問に答えていくだけで『こんなお母さんにはこの花がオススメ』といったように、贈る相手のタイプに合わせた花の候補が提示されるコンテンツを作りました」
たとえば、「お母さんは流行に敏感ですか」などの質問に答えて進んでいくと、「元気なお母さん」「可愛いお母さん」など6パターンに分類され、それぞれに合った商品へと最終的に辿り着くようになっている。この施策は好評で、実際にCVRの向上にもつながっている(2017年の実績)そうだ。
ほかにKARTEを活用した施策の成功例として酒井さんが挙げたのは、「ページを閲覧している人数の表示」だ。
「こんな単純なことで効果が上がるのは意外でしたが……これが最近ではいちばんの当たり施策です。閲覧数が増え、CVRも1.5%ほど向上しました。実店舗と同じで、『たくさんお客さんがいるから安心して入れる』『人気があるみたいだから見てみよう』と思っていただけるのかもしれません」