自分が困ったことを事業化 開始2ヵ月で数百万円の売り上げ
――ネットショップをやろうと思ったきっかけを教えてください。
「2007年12月末に長女を出産したんですが、主人も私もあまりお金がなくて、普通の服をパンパンになりながら着ていたような状況でした。母が見かねて、『みっともないからマタニティを買いなさい』とお金を渡してくれて、ようやくしぶしぶ買いに行ったんです。
でも、産後の授乳にマタニティはあわなくて、また新しいものを買わなければならなくなりました。いま、うちのサイトで売っているマタニティ、授乳服の価格からすると、当時は2~3倍の値段で売られていて、モノとしては素晴らしいんですけど、ほんの一時期しか来ないものにこの値段を出していいものか、本当に悩みながら買っていました。
私だったら、授乳服はとりあえず胸が出せる単純なものであればいいと思ったんです。そして、それが欲しい人はたくさんいるんじゃないかとも思いました。ちょうどそのとき、主人が韓国で男性用のTシャツを作る工場をやっていたので、数枚でも、授乳服を作ってみようと思ったのがきっかけです。2008年の4月に個人事業として開業届を出して、ネットショップは5月から動き出しました」
――始めてみていかがでしたか。
「とはいえ工場も、数枚の発注では動いてくれないんですね。なので最初は、卸売の市場に出回っているマタニティ服の中からかわいいものを買いつけて、少量ずつ売る方向で始めました。
オープンして、1、2ヵ月は、1日に1、2件の受注という感じだったんですが、それでも私はびっくりしたんですね。広告も出していないのに、どこで知ってくださったんだろうって。そして事業をはじめてから3ヵ月目の7月にちょっとしたセールをやってみたら、月数百万円の売上があって、驚きました。
これなら授乳服を生産してもいけるんじゃないかと少しずつ増やしていったら、1枚アップするごとにすごい反応があったんですね。マタニティで既存のお客様がいたのが大きかったと思うんですが、本当におもしろいぐらい反応があったんですよね。それからはもう配送が追いつかないような状況で、とにかくお客様をお待たせしないように必死でした」