ECサイトのデータ分析を語るなら読みたい、60年前の名著
ECサイトを分析するには、Google アナリティクスのデータを見たり、3C・4P・SWOT分析などのフレームワークを使うことが多いですよね。
そんなデータを活用した販売の分析について書かれているのが、今回ご紹介する書籍『販売の科学―売りながら調べ調べながら売る』(唐津一/PHP文庫、※掲載時点現在、品切れ・重版未定)です。書かれたのはなんと60年近く前!
昭和34年といえば池田勇人内閣が掲げた所得倍増計画がスタートした年です。私も生まれていませんし、ほとんどの人が歴史として覚えている程度ではないでしょうか。
改訂版の書かれた昭和49年は私が生まれた年で、長嶋茂雄が現役を引退し、中日ドラゴンズが優勝して、超合金のマジンガーZが流行って、小松左京の日本沈没の映画が流行った年です。とにかく随分と昔に書かれた本です。
なぜそんな古い本を紹介するかといいますと、ここに書かれている内容が販売におけるデータ分析の原点といえるからです。データ分析って、Google アナリティクスがでてきてから本格的に始まったように思う人もいるかもしれませんが、そんなことはなくって60年以上前から存在したんですよね。細かいことを言い出せば何千年も前の中国でも存在したかもしれませんが、それはわからないということで。
『販売の科学』の冒頭に、このように書かれています。
内容は、直接日々の販売活動に従事しておられる方々に、できるだけ広く知っていただくために、数式などはもちろんいっさい使わず、物語ふうにすすめていくことにした。これらの個々の問題について、本文において語られるように、数十年の経験も、わずかの事実にもとづくデータと科学的手法の前にヒザを屈せざるをえない結果になるかも知れないということが、次々と挙げられている例によって推測できることができるであろう。
まさに、昨今言われていることですよね。ウェブサイトではアクセス解析といわれていて、今ではAIがこのあたりを担おうとしています。
この書籍は、事例がとっても豊富であることが特徴なのでそのひとつを紹介します。