ライバルはゼクシィ 構造改革中の「みんなのウェディング」
結婚式場紹介・口コミサイトの運営など、婚礼ビジネスを手がけているのが、みんなのウェディング(3685)だ。同社の設立は2010年、上場は14年である。
結婚式を予定しているカップル支援を目的に、「実際に結婚式を挙げた花嫁・花婿や参列者等から投稿される結婚式場の口コミ情報」と「結婚式場の実際の費用明細等の掲載」が運営サイトの2本柱。“実際”がポイントであり、そのビジネスモデルは以下の通りだ。
- サイトに結婚式場情報や広告の掲載を受ける
- 有料掲載結婚式場に対して、直接ユーザーとコミュニケーションをとることができ、集客につながる機能を提供する
- 結婚式を検討しているカップルは、サイトに掲載されている結婚式情報や口コミ、費用明細書などから式場を選択し、運営サイトから問い合わせをすることが可能
- 「みんなのウェディング相談デスク」では、結婚式を検討しているカップルの相談を受け、式場を紹介する
- 結婚式を挙げた新郎新婦や参列者から結婚式場に関する口コミや費用明細の投稿を受ける
- 投稿内容を会員規約や投稿ガイドラインに照らして審査したのちサイトに掲載
サイトの月間利用者数と有料掲載結婚式場数の伸びが、業績に直結することは明らかだろう。ただし、みんなのウェディングは、料理レシピ検索サイトを運営するクックパッド(2193)の関連会社だったが、資本関係を解消する一方で、クックパッドの元経営トップが大株主に就任するなどの経緯もあり、構造改革を推進中である。
経営成績がやや下降気味で、17年9月期は売上高が減少、営業利益率も下降すると予想しているが、その影響もあるのだろう。
“少子高齢化”社会の到来ということは、突き詰めれば“多死化”社会を意味する。生まれてくる子どもより、死亡する人のほうが多い――厚生労働省が発表する人口動態統計によれば、16年に生まれた子どもの数(出生数)は98万人弱で、死者はおよそ130万人だった。
つまり、婚礼よりも葬祭需要のほうが拡大すると見るのが常識なのだろうが、通夜・告別式を1日で執り行う1日葬や、列席者が少ない家族葬、さらには、火葬のみですます直葬など、葬儀形式は簡素化の一方で、葬祭施設の新設など過当競争も避けられない。婚礼に関連しては、リクルートHD(6098)が展開している「ゼクシィ」が、大きな影響力を持っている点も見逃せない。
いずれにしても、ネット企業にとっては、自社で運営するサイトの価値向上の実現がポイントであることはいうまでもない。