ネットショップの「手間」のコストを明確に把握していますか?
リアルショップの店頭でお客様に普通に買い物をしていただく時には、名前をお聞きする必要もありませんし、住所や電話番号をお尋ねする必要もありません。予約や商品の取り寄せ、あるいは会員カードを作っていただくなどの場合や、毒物や劇物の販売などのかなり特殊な買い物をしていただく場合を除いては、お客様は匿名性を保ったままでお買い物をしていただくことができます。
もう少し言えば、リアルショップでは実物の商品を見て十分に選んでいただき、品質やスペックにもご納得いただき、そしてCOD(Cash On Delivery=商品引き渡しと同時の支払い)という取引形態が常識となっています。
つまり売り手であるお店は、一義的には商品についての説明をする必要もなく、さらにはお客様の与信について確認する必要もありません。スーパーマーケットなどの販売スタイルであれば、お買い上げいただいた商品を袋に入れることさえ不要なのです。
一方でネットショップの場合は、お名前を聞いて住所を尋ねて電話番号やメールアドレスも教えていただく必要があり、さらにはお届け日時なども聞かなければなりません。もちろん商品についても、実物を見て頂いていないのですから十分に説明をする必要があります。また、商品などについてHPの記載だけでは分からないお客様から質問が来たりもします。
質問の回答やクレームの対応、その他諸々のお客様に連絡する必要があった場合には、メールを書いたり電話をしたり。その電話もショップ側がかけた時には、お客様が電話に出ないこともあります。他にも、宅配のための梱包作業や納品書の作成など、リアルショップの店頭でお買い上げいただく時に比べて、たいへん多くの作業が発生しています。
ネットショップは、これだけの手間がかかります。もちろん、前記の「手間」は受注にかかわる対応だけを書いたに過ぎず、当然ながら、ショップの制作や検索広告の管理などについては別の作業が発生します。この「手間」についてのコストを「明確に」把握していないと、たとえば“こんなこと”が起こります。