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アパレルの“定番アイテム”という秀逸すぎるコピーから学べること 「目的買い」についてのいち考察

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 CVRの向上をキホンに、ネットショップのコンサルティングを行うA-Commerceの笹本さんによる、ECに関するコラムをお届けします。今回は、「目的買い」がテーマです。

購買行動の大きな比率を占める「目的買い」の中の「無難ニーズ」

 ハワイに旅行した人からいただくお土産は、「皆さんでどうぞ」であればマカデミアナッツのチョコレート。個人的にいただく時は、やはりマカデミアナッツチョコレートかハワイアンコーヒーが筆頭で、ごくたまにパイナップルケーキ。私の経験上、これは世の中のキマリのようです。お土産にホ・オポノポノ(←気になる人は調べてみて下さい)の本やフラダンスの楽器をいただいたことは一度もありませんし、仮にオヤジのワタシが本当にいただいたりしたらどう対応してよいか困ってしまいます。(笑)

 本来、お土産はどのような品物でもかまわないはずです。その選択肢は「店で買う商品」以外にも広がっていて、砂浜の貝殻やオシャレなカフェのコースターなどまで含まれてもよいかと思います。これらのセンスあるお土産の方を喜ぶ人も少なからずとは思うのですが、やはりお土産は「買わねばならない」のです。多少なりともお土産にお金を使うことこそが、その「目的」に合致しているからだと思います。

 指名買いやついで買いなど“買う”という行動をいくつかの種類に分類した場合、お土産は「目的買い」のジャンルに入ります。目的買いとは「ある目的を達せられれば、どのような品物(あるいはサービス)でもかまわない」という意味で本稿では使っています。たとえばぐっすり眠るという目的が達せられるのであれば、安眠まくらでもリラックスできる音楽CDでもあるいはマッサージなどのサービスでもかまわないわけです。同時に“安眠”というニーズ(=目的)においては、安眠まくらとマッサージはそれぞれ競合商品でもあります。

 お土産を買うという行動の主目的は、お土産を渡す人に「喜んでもらうこと」だと思うのですが、このニーズにおいては「どんな品物でもOK」と言っていいぐらい幅広い品物が選択肢に上がります。ただし、ここにはいくつかの条件が付随してきます。お土産を渡す対象が「皆さん」であれば「皆さんが」喜ぶ品物でなければなりません。たとえばフラの楽器は、フラに興味を持つ人にはたいへん喜ばれるかもしれませんが、とくに興味がない人にとっては対処に困る品物になってしまいます。この段階で“品物”の選択肢が急に狭まるのではないでしょうか。 甘いケーキなどは苦手でもチョコレートは食べる人なども含め「嫌いな人はごくわずか」なのがチョコレート。いわゆる「無難な品物」を選択したということになりますが、実は購買行動の中では「無難な品物」を選択するという場面がたいへん多いように思います。

 たとえば、お中元やお歳暮などのギフト需要においても「無難な品物」のニーズは根強いものがあります。食品カテゴリで言えばビール・ハムソーセージ・水ようかん&ゼリー類がシェアの上位に来るのですが、ギフトを渡す対象者の趣味嗜好を明確に把握していない限りは、「無難でないもの」を購入すると喜んでもらえない=目的を達せられない可能性が出てくるのでこのような順位になっているのもうなずけます。「ちょっと飲み物を買ってきて」と言われて、ドクターペッパーとチェリーコークとゲータレード……(そんな自販機はもう世間に1台もないとは思いますが……)とはいかないのです。

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